南アメリカ大陸は赤道をまたぐ位置にあり、熱帯から温帯にかけて多様な気候が広がっています。その気候を大きく左右するのが「気圧配置」「風向」「熱帯収束帯(ITCZ)」の位置です。これらの要素は季節ごとに変化し、乾季と雨季を生み出す重要な要因となっています。
熱帯収束帯(ITCZ)とは何か
熱帯収束帯とは、北半球の北東貿易風と南半球の南東貿易風が赤道付近で収束する帯状の低気圧地帯を指します。この帯の周辺では強い上昇気流が発生し、積乱雲が発達して雨が多く降るのが特徴です。
季節によって太陽高度が変わるため、熱帯収束帯は南北に移動し、それが南アメリカの雨季・乾季を生み出します。
南アメリカの夏(12月~2月)
この時期、太陽が南半球にあるため熱帯収束帯も南下します。特にアマゾン盆地では上昇気流が強まり、広い範囲で雨季を迎えます。
一方、南米大陸南部(アルゼンチンやチリ)では高気圧の影響を受けやすくなり、乾燥した気候となる地域もあります。
南アメリカの冬(6月~8月)
太陽が北半球に移動するため、熱帯収束帯も北上します。その結果、アマゾン盆地では乾季となり、サバンナ気候の地域では草木が枯れやすくなります。
一方でブラジル南部やアルゼンチンでは低気圧や寒冷前線の影響を受けやすくなり、雨や寒波がもたらされることもあります。
気圧配置と風向の関係
南米大陸ではアンデス山脈が東西の気候差を生み出しています。東側のアマゾン地域では貿易風による湿潤な空気が流れ込み、熱帯収束帯と重なると強い降雨をもたらします。
逆に西側(チリやペルーの沿岸部)では南太平洋高気圧の影響を受け、乾燥した偏東風が卓越し、アタカマ砂漠のような世界有数の乾燥地帯が形成されています。
実例:ブラジルとペルーの対照的な気候
ブラジルのアマゾン流域では夏に熱帯収束帯の影響で雨が続き、熱帯雨林が育まれます。一方、同じ時期にペルーのリマ周辺では高気圧と寒流の影響でほとんど雨が降らず、乾燥した気候が保たれます。この対照は、気圧と風向、熱帯収束帯の相互作用がいかに大きな役割を持つかを示しています。
まとめ
南アメリカの気候変化は、熱帯収束帯の南北移動、気圧配置、そして風向によって大きく左右されます。
・夏はITCZが南下しアマゾンで雨季
・冬はITCZが北上しアマゾンで乾季
・アンデス山脈が東西の気候差を強調
このように、気圧と風向の季節変化を理解することは、南米の多様な気候を正しく捉える鍵となります。
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