古典文法「来」の活用を解説|例文とともに学ぶ基本

文学、古典

古典文法を学ぶ際、頻出する動詞の一つが「来(く)」です。現代語でも馴染み深い語ですが、古典では独自の活用を持ち、理解に戸惑う学習者も少なくありません。ここでは、例文「人々、絶えず訪ひに来。」を手がかりに、その活用形を整理してみましょう。

「来(く)」という動詞の基本

「来(く)」はカ変動詞に分類されます。カ変動詞は「来(く)」ただ一語のみで、非常に特殊な活用を持つことが特徴です。活用表は次のようになります。

未然形
連用形 き・こ
終止形
連体形 くる
已然形 くれ
命令形 こ・こよ

このように「来」は特殊であり、典型的な四段活用や下一段活用とは異なる点に注意が必要です。

例文「人々、絶えず訪ひに来。」の解釈

文脈を見ると、「人々が絶えず訪ねて来る」という意味になります。この場合の「来」は文末に置かれており、終止形で用いられていると考えられます。つまり、この「来」はカ変動詞「来(く)」の終止形です。

例えば、現代語でも「彼が来。」といえば「彼が来る。」の意味を持ちますが、古文では「来」がそのまま終止形として成立しています。

同じ活用の実例

古文では「来」の終止形は頻繁に用いられます。例えば、『徒然草』には「人、家に来。」のような記述が見られます。このように動作の完結を示すとき、文末で終止形「来」が現れます。

また、「来にけり」「来たり」などの形では、連用形「き」と接続助詞や助動詞が結びついて活用の幅を広げます。

学習のポイント

「来」は単純ながらも特殊な活用を持つため、暗記するのが一番の近道です。特に試験や読解問題では「来」が終止形か連用形かを瞬時に判断する必要があります。表を繰り返し確認し、実際の古文を読みながら慣れていくと効果的です。

さらに、動詞の活用全体を俯瞰して覚えると、特殊動詞がいかに例外的であるかが理解でき、定着しやすくなります。

まとめ

「人々、絶えず訪ひに来。」における「来」は、カ変動詞「来(く)」の終止形です。古典文法では珍しい活用を持つ語なので、活用表を暗記しつつ、実例を通して使われ方に慣れていくことが重要です。古文読解の基礎固めに役立つ知識として、ぜひ覚えておきましょう。

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