テレビ番組やイベントで、フライパンを折り曲げたり10円玉を素手で曲げたりする「怪力自慢」を目にすることがあります。こうしたパフォーマンスは単なる力任せではなく、力学や人体構造を巧みに利用した技でもあります。では、実際にどれほどすごいことなのか、科学的な視点から整理してみましょう。
フライパンを折り曲げる力とは
フライパンは鉄やアルミでできており、厚みのある鉄製フライパンを折り曲げるには数百キログラム以上の力が必要です。これを両手で行う場合、単なる握力や腕力だけではなく、体全体を使ったてこの原理を活かすことがポイントになります。つまり、強靭な筋力と同時に正しいフォームや技術も不可欠なのです。
例えば、腕だけでなく胸筋や背筋も動員し、フライパンを身体に近づけて押し込むようにすれば、力を効率的に伝えられます。このため、パワーリフティングやストロングマン競技の選手などは比較的スムーズに実演できる場合があります。
10円玉を曲げるのに必要な力
硬貨を素手で曲げるのも同様に驚くべき力技です。10円玉は銅と亜鉛の合金で作られており、見た目以上に硬い金属です。片手で曲げるには数十キログラム単位の握力と、指先の強靭な耐久力が求められます。
特に親指と人差し指に集中して力を加え続ける必要があるため、単なる筋肉の大きさだけでなく、手指の鍛錬や痛みに耐える精神力も重要な要素です。
パフォーマンスとしての側面
フライパン曲げや硬貨曲げは「見せ方」も大切です。少しでも曲がれば観客には十分に驚きを与えられるため、演者は力を効率的に伝えられる体勢を工夫し、成功しやすい条件を整えて披露します。スポーツ科学的には最大筋力に加え、姿勢制御や呼吸法の工夫がパフォーマンスの成否を分けます。
一般人との比較
一般的な成人男性の握力は40~50kg程度、女性では25~30kg程度とされています。これに対して、フライパン曲げや硬貨曲げを実演できる人は、握力が70kgを超えるレベルであることが多いとされます。この差を考えると、確かに「かなりすごい」能力であると言えるでしょう。
また、力士やストロングマン競技者は握力100kg以上を記録する人もおり、そうした人たちにとっては可能な範囲のパフォーマンスであるとも考えられます。
まとめ
両手でフライパンを折り曲げたり、片手で10円玉を曲げたりする行為は、単なる筋肉の大きさだけではなく、正しいフォーム・力の伝え方・精神力までも必要とする高度なパフォーマンスです。一般人には到底真似できないレベルの怪力と鍛錬の証と言えるでしょう。
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