物理基礎の問題で、異なる傾きの板から同じ高さの位置で転がしたボールの速さが、下端に到達した時に同じである理由を数式を用いて解説します。この問題は、エネルギー保存の法則を用いることで簡単に理解できます。
問題の設定とエネルギー保存の法則
ボールを同じ高さから異なる傾きの板で転がすとき、下端に到達した時の速さが同じであることを示すために、エネルギー保存の法則を利用します。
エネルギー保存の法則によれば、力学的エネルギーは外力が働かない限り保存されるため、ボールが転がりながらその位置エネルギーが運動エネルギーに変換されます。
エネルギー保存の式を立てる
ボールが上端から下端に転がる際、位置エネルギーが運動エネルギーに変換されます。最初の位置エネルギーは、ボールの質量m、重力加速度g、初期の高さhで表されます。
位置エネルギー: E_p = mgh
運動エネルギーは速さvによって次のように表されます。
運動エネルギー: E_k = (1/2)mv²
エネルギー保存の法則によれば、最初の位置エネルギーは下端での運動エネルギーに変換されるので、次の式が成り立ちます。
mgh = (1/2)mv²
ここで、mはボールの質量であり、gは重力加速度、hは初期の高さ、vは下端に到達した時の速さです。
速さvの導出
上記の式から、質量mは両辺でキャンセルできます。したがって、次のようにしてvを求めることができます。
gh = (1/2)v²
v² = 2gh
v = √(2gh)
この式からわかるように、下端での速さvは、最初の高さhと重力加速度gだけに依存しており、板の傾きには関係ありません。つまり、異なる傾きの板を使っても、ボールが同じ高さから転がし始めれば、下端での速さは同じになります。
まとめ
同じ高さの位置から転がした場合、下端に到達した時のボールの速さが同じであることは、エネルギー保存の法則を用いて証明できます。速さは最初の位置エネルギーが運動エネルギーに変換される結果、重力加速度と高さに依存し、傾きには影響されません。このように、物理的な法則に基づいて問題を解くことで、直感的に理解しやすくなります。
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