高校数学や大学初歩の問題として登場することのある対数と累乗が組み合わさった方程式は、少し複雑に見えますが、基本的な解法の流れを押さえれば落ち着いて解けるようになります。この記事では、例題として (√lnx)^lnx=(lnx)^√lnx を取り上げ、解法のプロセスを丁寧に解説します。
問題の形を整理する
与えられた方程式は以下の通りです。
(√lnx)^lnx = (lnx)^√lnx
両辺ともに「lnx」を底とする累乗の形をしています。そこで、指数法則を利用して形をそろえていきます。
指数法則を使った整理
左辺の (√lnx)^lnx は、(lnx)^(1/2) を lnx 乗したものとみなせます。
(√lnx)^lnx = {(lnx)^(1/2)}^lnx = (lnx)^{(1/2)·lnx}
したがって、式全体は。
(lnx)^{(1/2)·lnx} = (lnx)^√lnx
となります。ここで、底が (lnx) > 0 である場合、指数同士を比較することができます。
指数の比較と条件
両辺の底 (lnx) が同じで正のとき、次の条件が成立します。
(1/2)·lnx = √lnx
この式を変形すると。
(lnx)^2 = 4·lnx
lnx(lnx – 4) = 0
よって、lnx = 0 または lnx = 4 です。
・lnx = 0 のとき → x = e^0 = 1
・lnx = 4 のとき → x = e^4
特別な場合の確認
ここで、x=1 はどうなるかを確認します。ln1 = 0 なので、両辺は (√0)^0 と (0)^√0 のように未定義形を含み、解としては不適切です。
また、x=e の場合も確認してみましょう。ln(e)=1 なので、左辺は (√1)^1 = 1、右辺も (1)^√1 = 1 となり、確かに成立します。したがって、x=e も解として加えることができます。
最終的な解のまとめ
以上の検討から、解は次の通りです。
- x = e
- x = e^4
x=1 は不適切な未定義形となるため解には含まれません。
同様の問題を解く際のポイント
この問題を通してわかるポイントは、指数法則を使って形をそろえることと、特殊な値(未定義や1など)の確認を忘れないことです。
例えば、(a^b)^c = a^{bc} の性質を活用することが基本的な一歩となり、その後に指数部分を比較して方程式を解く流れを意識しましょう。
まとめ
方程式 (√lnx)^lnx = (lnx)^√lnx の解は、整理と検証を経て x=e と x=e^4 となることがわかりました。解の候補を導き出した後には、実際に代入して妥当性を確かめることが大切です。指数と対数が絡む問題は一見複雑ですが、基本法則を丁寧に適用すれば着実に解くことができます。
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