本記事では、AB=4、AC=3、∠ACB=90°の直角三角形ABCにおいて、∠ABC=θとしたときの三角比sinθ・cosθの求め方を、定義と手順に沿って分かりやすく解説します。図がなくても手順を追えば再現でき、類題にも応用できる構成です。
問題設定とゴールの明確化
三角形ABCで∠ACB=90°(Cが直角)、斜辺AB=4、辺AC=3が与えられています。角θは∠ABC(Bの角)です。求めたいのはsinθとcosθです。
三角比の定義に従うと、角θに対して『向かい=AC』『隣り=BC』『斜辺=AB』となります。したがって、sinθ=(向かい)/(斜辺)=AC/AB、cosθ=(隣り)/(斜辺)=BC/ABという形に落とし込みます。
手順1:未知辺BCを三平方の定理で求める
直角三角形では三平方の定理(ピタゴラスの定理)より、AB^2=AC^2+BC^2が成り立ちます。与式を代入すると、4^2=3^2+BC^2 → 16=9+BC^2 → BC^2=7 です。
よって BC=√7。これでθに対する『隣り』が確定しました。
手順2:定義に代入してsinθ・cosθを算出
定義より、sinθ=AC/AB=3/4。分数は既に既約です。
またcosθ=BC/AB=√7/4。必要に応じて近似値はsinθ=0.75、cosθ≈0.6614です(√7≈2.6458)。
ワンポイント:関連比とチェック方法
参考までに、tanθ=(向かい)/(隣り)=AC/BC=3/√7となります。分母有理化でtanθ=3√7/7。
三角比の恒等式sin^2θ+cos^2θ=1で検算できます。実際に(3/4)^2+(√7/4)^2=9/16+7/16=16/16=1となり、一致しているため計算の整合性が確認できます。
図なしで把握する位置関係のコツ
角θ=∠ABCは点Bにある角です。したがって、θに『向かい』にある辺はBを通らない辺=AC、『隣り』はBに接する直角辺=BC、『斜辺』は直角をはさむ最長の辺=ABと覚えると迷いません。
暗記の近道:『sin=向かい/斜辺』『cos=隣り/斜辺』『tan=向かい/隣り』を角の位置(今回はB)とセットで確認する癖をつけましょう。
具体例で練習(値を少し変えてみる)
例:もしAB=5、AC=4、∠ACB=90°、θ=∠ABCなら、同様にBC^2=AB^2-AC^2=25-16=9→BC=3。よってsinθ=AC/AB=4/5、cosθ=BC/AB=3/5、tanθ=4/3。
このように、与えられた長さが変わっても『①三平方で未知辺→②定義に代入→③恒等式で検算』の流れは不変です。
結果のまとめ表
今回の条件(AB=4、AC=3、BC=√7、θ=∠ABC)を表に整理しておきます。
量 | 値 | メモ |
---|---|---|
AC(向かい) | 3 | θの対辺 |
BC(隣り) | √7 | 三平方で算出 |
AB(斜辺) | 4 | 最長辺 |
sinθ | 3/4 | 定義:向かい/斜辺 |
cosθ | √7/4 | 定義:隣り/斜辺 |
tanθ | 3/√7=3√7/7 | 参考 |
よくあるつまずきと回避策
・角の位置を取り違える:図がなくても『角の頂点=接する2辺が隣りと斜辺(直角ではない方の長辺)』と意識し、対辺を確定。
・三平方の定理の向き:斜辺^2=他の2辺^2の和、を必ず先に書く。
・有理化の要不要:記述指示がなければ√のままでも可。答案様式に合わせて有理化(例:tanθ=3√7/7)を行う。
まとめ
直角三角形ABCで∠ACB=90°、AB=4、AC=3、θ=∠ABCのとき、三平方でBC=√7を得て、定義に代入すればsinθ=3/4、cosθ=√7/4。『三平方→定義→恒等式で検算』のルーチンを身につければ、与条件が変わっても同様に解けます。
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