高校数学Iの学習で三角比を扱うとき、sin・cos・tanの値を計算すると分母に平方根(√)が残る場合があります。このとき「分母を有理化すべきかどうか」で迷う人は多いでしょう。実際の授業や試験ではどのように扱うべきかを詳しく解説します。
三角比の値と分母に√が出る理由
三角比は直角三角形の辺の比として定義されます。例えば、sin30°=1/2 のようにきれいな値になるものもあれば、sin45°=1/√2 のように分母に√が残るものもあります。これは三平方の定理から求める際に必然的に現れる形です。
このとき、昔の数学教育では「分母に√を残さない」という指導が徹底されていましたが、近年では分母に√があっても問題ないという考え方が一般的になっています。
有理化は必要か?
結論から言うと、現在の教科書や入試問題では分母に√が残っていても減点されることはほとんどありません。例えば、sin45°を1/√2 と書いても √2/2 と書いても正解です。
ただし、途中式で混乱を避けたい場合や式を整理したい場合には有理化すると見やすいというメリットがあります。そのため「答えとしてどちらを出すかは場合に応じて使い分ける」と考えるのが良いでしょう。
実際の試験での評価
定期テストや模試、入試での採点基準は「意味が通じれば正解」とされることが多いため、分母に√が残っているだけで減点になる可能性は低いです。ただし、解答欄が教科書通りの形(√2/2 など)を想定している場合は、模範解答と同じ形に合わせる方が安全です。
また、大学入試の記述問題では計算過程が整然としていることも評価対象になるため、計算が煩雑にならない範囲で有理化しておくと安心です。
具体例で確認
例えば sin60° を考えると、直角三角形での辺の比から √3/2 という値が出てきます。この場合、分母には√がありませんので有理化の必要はありません。
一方、tan30° は 1/√3 となり、これを有理化すると √3/3 になります。どちらも正解ですが、答えをそろえる意味で教科書や公式集に合わせた形で書くのがおすすめです。
まとめ
高校数学の三角比で分母に平方根が出る場合、有理化は必ずしも必要ではなく、そのままでも正解として扱われます。ただし、答案を見やすく整理する目的で有理化することは有効です。試験では模範解答の形に寄せて書くのが安全であり、日常の学習では使いやすい形を選べば良いでしょう。
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