ビッグバンの一点の横には何があった?宇宙誕生と『隣』という概念を解説

天文、宇宙

ビッグバンは宇宙の始まりを説明する最も有力な理論ですが、「一点の横には何があったのか?」という疑問は多くの人が抱く素朴な問いです。この記事では、ビッグバン時の空間のイメージや、横や隣といった概念が宇宙論でどのように理解されるのかを解説します。

ビッグバンの「一点」とは何か

ビッグバン理論における「一点」とは、宇宙全体が極めて高温・高密度に圧縮されていた状態を指します。これは「宇宙のすべてが一点に集まっていた」という比喩であり、物理的な点の座標を示すものではありません。

つまり、ビッグバンの一点は空間のある場所ではなく、空間そのものが極限的に小さな状態にあったことを意味します。

「横」や「隣」は存在しない?

「一点の横には何があったのか?」という問いに対して、現代宇宙論では「横や隣という概念は成り立たない」と考えられています。なぜなら、ビッグバンは空間の中で起きた爆発ではなく、空間そのものの始まりだからです。

例えるなら、地球の表面が有限で端がないのと同じで、宇宙にも「端」や「外側」は存在しません。したがって「一点の隣」というイメージは、人間の直感的な空間感覚にはあっても、宇宙の始まりには適用できないのです。

違う次元や別の宇宙はあるのか

理論物理学の一部では、ビッグバン以前やその外側に「別の次元」や「多元宇宙(マルチバース)」の存在を想定する仮説があります。例えば、インフレーション理論や弦理論から派生する多次元宇宙のアイデアです。

ただし、これらはまだ観測的に確かめられていないため、科学的には「可能性として議論されている段階」にあります。

身近な例えで理解する

宇宙の始まりを理解するために、風船の表面の例えがよく使われます。風船を膨らませると表面は広がりますが、風船の外側は「宇宙」の一部ではありません。宇宙も同様に、内部が広がっているのであって「外側」があるわけではないのです。

この比喩により、「横」や「隣」を探す発想が宇宙の始まりには当てはまらないことが直感的に理解できます。

まとめ

ビッグバンの一点には「横」や「隣」といった空間的な概念は存在しません。それは宇宙のある場所で起こった爆発ではなく、空間そのものの始まりだからです。多元宇宙や別次元の可能性は研究されていますが、現時点では仮説の段階にとどまります。宇宙の始まりを考えるときには、日常的な「空間の隣」とは異なるスケールの物理を意識することが重要です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました