地形図を読む際に「ここがカールなのか?」「谷や尾根はどうやって見分けるのか?」と疑問に感じる人は多いでしょう。特に等高線の凹凸の解釈は地形の理解に直結するため、入試問題や登山の地図読みでも重要です。この記事では、カールや谷、尾根の見分け方を具体例を交えながら解説します。
カールとは何か
カールは氷河地形のひとつで、山頂直下の斜面がすり鉢状に削り取られた地形です。氷河の侵食によって作られ、まるで半円形の大きな窪地のように見えます。日本では北アルプスの穂高岳や立山などで見られる有名な氷河地形です。
地形図上でカールを判別する際は、等高線が半円状に広がり、急峻な崖のような密集部分と、開けた緩斜面が組み合わさる形が目印となります。
谷と尾根の違い
谷と尾根を見分けるためには、等高線の「開き方」に注目します。等高線が凹型(谷側に食い込む形)をしていれば谷、凸型(山頂側に突き出す形)であれば尾根を示しています。
谷は水が流れる方向にできるため、等高線の凹みは必ず下流方向を向きます。逆に尾根は高い地点から低い地点へと突き出しているため、凸型の等高線が確認できるのです。
尾根とは何か
尾根とは山の稜線にあたる部分で、山頂から枝分かれするように突き出た高まりを指します。実際に登山をすると尾根道は比較的歩きやすい場合が多く、地形図でもルート選定において重要な目印になります。
例えば、等高線が凸状に出っ張っている場所を尾根と判断すると、地形図上でどの方向に山が伸びているかが理解しやすくなります。
実例での見分け方
例えば、北アルプスの地形図を眺めると、槍ヶ岳周辺には鋭い尾根が放射状に広がっており、等高線が細かく凸型になっています。一方、立山連峰のカールでは半円状に広がる等高線が特徴的で、登山者が立つと目の前に大きな窪地が広がる光景が想像できます。
また、谷筋は川や沢の流路に沿って凹型の等高線が続き、実際の地形と対応していることがわかります。
まとめ
カールは氷河の浸食でできたすり鉢状の地形で、等高線が半円形に広がる特徴があります。谷と尾根は等高線の凹凸で見分け、凹型が谷、凸型が尾根です。尾根は山の稜線であり、登山ルートとしても重要な位置を持っています。地形図の等高線を読み解く力を身につければ、地形の理解だけでなく、安全な行動や学習にも役立ちます。
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