古文の理解を深めるためには、正確な品詞分解とその意味を把握することが重要です。今回は「にくままほし」と「よろしうだに思ひきこえさすべきことかは」の文法的解説を通じて、古文の理解を深めていきます。
1.「にくままほし」について
「にくままほし」とは、動詞「にくむ(憎む)」に自発の助動詞「まほし」が付いた形です。「まほし」は、希望や望みを表す助動詞で、自発的に何かをしたいという感情を示します。この場合、「にくむ」という動詞は嫌悪の感情を表現しており、その感情を表すために「まほし」を用いることで、「嫌だと思う気持ちが強く表れる」という意味になります。
2.「らる」の自発の用法について
「らる」は、通常、自発や可能の意味を持つ助動詞ですが、この文では「にくままほし」のように、ある感情を強く持つ状態を表すために「らる」ではなく「まほし」が使われています。自発の「らる」を使うとすると、「にくむ」ではなく「にくまれる」となり、相手に対して強い嫌悪感を表現する形になります。
3.「よろしうだに思ひきこえさすべきことかは」の品詞分解
このフレーズは、「よろしうだに」とは、最低限でも、という意味の副詞「よろしう」に、接続助詞「だに」が付いたものです。「思ひきこえさすべき」とは、謙譲語の「思ひ」を使った表現で、「思い申し上げる」という意味になります。「ことかは」は、物事に対して不確かさや疑念を表す言葉です。このフレーズ全体で、「最低限でも思い申し上げなければならないことは何か」という意味になります。
まとめ
古文における助動詞の使い分けや、複雑な品詞分解は、文の意味を正しく理解するための鍵です。自発の「まほし」と「らる」、または謙譲語の使い方など、正しい文法の理解が大切です。
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