粉じん測定の吸入性分粒装置：多段平行板式、慣性衝突式、サイクロン分粒装置の違い

粉じんの吸入性濃度を測定する際に使用される分粒装置には、いくつかの種類があります。特に、吸入性粉じんの測定において「多段平行板式分粒装置」「慣性衝突式分粒装置」「サイクロン分粒装置」が重要な役割を果たしています。この記事では、これらの装置の違いや利用方法について詳しく解説します。

吸入性粉じんの測定とは

吸入性粉じんは、呼吸器に吸入される可能性がある微粒子で、健康に悪影響を及ぼすことがあります。これを正確に測定するためには、粉じんの粒子サイズや挙動に基づいて分粒装置を選定する必要があります。適切な分粒装置を使用することで、呼吸可能な粒子の濃度を正確に測定することができます。

多段平行板式分粒装置

多段平行板式分粒装置は、粒子が複数の平行板を通過することによって分粒される装置です。これにより、粒子のサイズに応じて異なる層で分粒が行われ、精度の高い測定が可能になります。特に、細かい粒子を効率的に分けることができ、吸入性粉じんの測定には非常に有用です。

この装置は、特に吸入性粉じんの粒子サイズ分布を細かく調整したい場合に利用されます。また、正確なデータが必要な現場でもよく使用されています。

慣性衝突式分粒装置

慣性衝突式分粒装置は、粒子が一定の流れに沿って進んだ後、急激に方向を変えることで粒子の大きさを分ける装置です。この装置では、粒子の質量と速度に基づいて分粒が行われ、細かい粒子は効率よく分けられます。

慣性衝突式分粒装置は、特に粒子の動きが速く、衝突が重要な役割を果たす場合に適しています。吸入性粉じんの測定において、迅速かつ高精度な分粒が求められる場面で活躍します。

サイクロン分粒装置とその役割

サイクロン分粒装置は、旋回流を利用して粒子を分ける装置です。流体の回転による遠心力を利用して、粒子をサイズに応じて分けることができます。サイクロン分粒装置は、主に大きな粒子を効率よく分けるために使用されることが多いです。

サイクロン分粒装置は、精度が高くない場合もありますが、大量の粉じんを効率よく測定するために使用されることが多いです。したがって、吸入性粉じんの測定においても、特定の条件下では有効な分粒装置となります。

まとめ

吸入性粉じんの測定に使用される分粒装置として、多段平行板式分粒装置、慣性衝突式分粒装置、そしてサイクロン分粒装置があります。それぞれが異なる原理で粉じんを分け、測定精度や測定範囲に違いがあります。適切な装置を選ぶことで、より正確な粉じん濃度を測定することができます。これらの装置を使い分けることで、吸入性粉じんに関する安全対策をより確実に行うことができるでしょう。