行列の積と内積について混乱することはよくありますが、特に非正方行列の場合、両者には重要な違いがあります。今回はその違いについて解説していきます。
1. 行列の積とは
行列の積は、二つの行列を掛け合わせる演算です。行列AとBが与えられたとき、Aの列数とBの行数が一致する場合に行列積が定義されます。積の結果は新たな行列となり、要素はAの行とBの列との積和として計算されます。
2. 内積とは
内積は、ベクトル同士の演算ですが、行列においてもベクトルの内積はよく使われます。ベクトルの内積は、対応する成分同士を掛け合わせて、それを合計する演算です。行列における内積も同様に、対応する行と列を掛け合わせたものの合計として定義されます。
3. 非正方行列AとBの積
非正方行列AとBを掛ける場合、Aの列数とBの行数が一致する限り、行列積は計算可能です。この場合の積は行列Aの行と行列Bの列を組み合わせた新たな行列となりますが、これは内積とは異なります。行列積では、行列の要素同士を掛け合わせて加算するという方法がとられます。
4. 積の和と内積の違い
積の和は、行列の各要素に関して計算されるもので、内積のようにベクトル間での合計計算とは異なります。内積では対応するベクトルの成分を掛け合わせた後に合計しますが、行列積では行列全体に対して掛け算と加算を行います。
5. まとめ
非正方行列同士の積と内積は、演算方法において異なります。内積はベクトルの成分同士を掛けて合計するのに対し、行列積では行列全体を対象に掛け算と加算を行う点が異なります。したがって、行列積が内積になることはありませんが、計算方法を正しく理解することで、この違いをしっかり把握することができます。
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