硝酸カリウムの飽和溶液を濃縮した場合、析出する溶質量が問題となることがあります。特に、温度変化による溶解度の違いを考慮した場合、どのように計算すれば良いかについては、初心者にとっては少し難しい部分かもしれません。今回は、硝酸カリウムの飽和溶液を濃縮する過程と、析出量の計算について詳しく解説します。
硝酸カリウムの溶解度と濃縮の影響
硝酸カリウム(KNO₃)の溶解度は、温度によって大きく変化します。例えば、20度で32g、60度で110gの硝酸カリウムが100gの水に溶けるという情報があります。温度が高くなると、より多くの硝酸カリウムが溶けることになります。
今回の問題では、60度で飽和溶液を80gに濃縮すると22gの溶質が析出するという状況です。ここで注意すべきは、この22gの溶質が80gの溶液の中に含まれているかどうかです。濃縮とは、溶液の水分が蒸発することで溶質が凝縮することを指しますが、この時点で析出した溶質は溶液から取り除かれ、残りの溶液に溶けていることになります。
析出した溶質の計算方法
問題のポイントは、析出した22gの溶質が80gの溶液の一部であるか、別途計算に含めるべきかという点です。実際には、22gの溶質は80gの中に含まれません。濃縮後の溶液には溶けている分と析出した分があります。
濃縮後、80gの溶液に含まれている溶質の量を求めるためには、まず60度での飽和溶液の溶解度(110g)から、析出した22gを引く必要があります。これにより、残りの溶液中の溶質量が求められます。
冷却後の析出量の求め方
次に、20度に冷却した際の析出量を求めます。20度での溶解度は32gです。したがって、冷却後の溶液に溶けている量は32gとなり、溶液中に溶けている量と比較して析出する量が決まります。
冷却後に析出する溶質の量は、冷却前の溶解度と冷却後の溶解度との差で求めます。この差が析出する溶質量となります。
まとめ
硝酸カリウムの飽和溶液を濃縮した場合、析出する溶質の計算は、溶解度の変化と濃縮の影響を考慮する必要があります。濃縮後の溶液には、析出した溶質は含まれておらず、冷却後に再度析出する量を計算するためには、冷却前後の溶解度を比較することが重要です。
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