無記名投票の票の分かれ方の計算方法

高校数学

数学Aの問題でよく出てくる、無記名投票における票の分かれ方についての問題です。問題文の中で、3人の候補者と10人の投票者がいて、各投票者が1票を投じる時、票の分かれ方が何通りになるかを求める問題がありました。この問題は、単に「3の10乗」と考えると間違った結果が出てしまうことがあるため、正しいアプローチと考え方を理解することが重要です。

問題の状況の理解

まず、問題文の要点を整理します。3人の候補者がいて、10人の投票者がそれぞれ1票を投じます。各投票者は3つの選択肢の中から1つを選ぶことができます。したがって、1人の投票者は3通りの選択肢から選ぶことができると考えがちですが、これは票の分かれ方を求めるための方法としては誤りです。

「3の10乗」の誤り

「3の10乗」を計算することで、総投票数における各投票者の選択肢を計算できますが、これは誤った考え方です。なぜなら、ここで求めているのは、票がどのように分かれるか、つまりそれぞれの候補者に何票ずつ入るかの組み合わせを求める問題だからです。

「3の10乗」という計算は、10人の投票者がすべての選択肢を選ぶ可能性をすべて計算してしまうため、票がどの候補者にどう分配されるかを考慮していません。実際には、各候補者に何票ずつ入るのかという「分け方」を考える必要があります。

正しいアプローチ:組み合わせの計算

この問題の正しい解法は、組み合わせを用いて票の分け方を考えることです。10人の投票者が、3つの候補者にどのように票を分けるかを考えます。この場合、選ばれる候補者ごとの票数の組み合わせを求める問題になります。

具体的には、「10人を3つのグループに分ける」という考え方になります。これは、10人の投票者を3つの候補者に割り当てる方法の数を求める問題であり、組み合わせを使って計算することができます。この場合、答えは66通りです。計算式は次のようになります。

組み合わせの計算式

この問題を解くためには「重複組み合わせ」を用います。重複組み合わせの公式は以下の通りです。

$$ C(n+r-1, r) $$

ここで、nは候補者の数(3人)、rは投票者の数(10人)です。この公式を使って計算すると、結果は66通りとなります。実際に計算してみると、次のようになります。

$$ C(10+3-1, 3-1) = C(12, 2) = \frac{12\times11}{2} = 66 $$

まとめ

したがって、この問題における票の分かれ方は、組み合わせを考慮して計算することで、66通りであると求めることができます。最初に考えた「3の10乗」という方法ではなく、組み合わせの公式を使用して問題を解くことが正しい方法です。このように、数学的な問題では、どのアプローチを取るかが結果に大きな影響を与えますので、正しい計算方法を理解することが大切です。

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