電線の実長計算における弛みの影響と公式の理解

工学

電線の実長を求める際、弛み(たるみ)を考慮した計算が必要です。この計算に使われる公式と、直感的に理解しづらい結果に対する考え方について解説します。特に、たるみが大きい場合と小さい場合の違いに焦点を当てて説明します。

1. 弛みを考慮した電線の実長の公式

電線の実長L[m]を求めるための一般的な公式は、次のように表されます。

  • L = S + (8 * D² / 3 * S)

ここで、Sは電線の径間(距離)、Dはたるみ(垂れ)です。この公式を使って、弛みのある電線の実際の長さを計算することができます。

2. 弛みの影響と公式を使った計算例

実際にこの公式を使って、いくつかの例を見てみましょう。

例1

径間が99m、たるみが6mの場合、公式に従って計算すると、電線の実長は約100mになります。これは直感的にも納得しやすい結果です。

例2

次に、径間が0.97m、たるみが6mの場合です。公式を使うと、電線の実長は約100mになります。しかし、この結果は直感的には成り立たないように感じるかもしれません。

3. 直感的に不明な点を理解するために

なぜ、たるみが非常に小さい場合でも公式は成り立つのでしょうか?これは公式が非常に小さなたるみでも計算に適用できるように設計されているからです。電線が直線に近い形になると、たるみの影響が小さくなりますが、それでも計算結果は式に従い正確に求められます。

たるみDが小さい場合、式中のD²の項が非常に小さくなるため、実際の影響はわずかであり、従って公式を使うと予想外に大きな長さになることがあります。

4. 弛みが大きい場合の計算と注意点

たるみが大きくなると、弛みの影響がより顕著になります。この場合、電線の実長Lは公式に従って大きくなり、計算結果も直感に合った値になります。大きなたるみを持つ電線に対しては、この公式を使って計算することが適切です。

ただし、公式が適用できる範囲に注意することが重要です。たるみが非常に大きくなると、公式の精度が低くなる可能性があるため、他の補正方法を考慮することも有益です。

5. まとめ: 弛みと実長計算の理解

電線の実長を求めるための公式は、たるみDの影響を考慮した重要な計算ツールです。しかし、たるみが小さい場合でも公式は有効であり、直感に反する結果になることがあります。この場合でも公式に従って計算することで、正確な結果が得られます。

実際に使用する際には、たるみが大きい場合の影響や公式の精度に注意し、必要に応じて補正を加えることが重要です。

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