高校化学: 揮発性物質の気液平衡と沸騰の仕組みについて

気液平衡における沸騰の理解は、高校化学の重要なテーマの一つです。質問にある通り、密閉容器内で揮発性物質が気液平衡にあるとき、外圧と蒸気圧が等しくなり、沸騰が起こるのではないかと思われがちですが、実際には平衡状態では沸騰が起きません。この記事ではその理由をわかりやすく解説します。

1. 気液平衡とは

気液平衡は、液体と気体が同時に存在する状態で、液体の蒸発と気体の凝縮が等しく進行している状態を指します。この状態では、液体から気体への蒸発と、気体から液体への凝縮がバランスを取っています。このため、蒸気圧は一定となります。

気液平衡において、外圧（容器の圧力）と蒸気圧（液体の蒸発力）が等しくなると、平衡状態が保たれます。ですが、外圧≦蒸気圧の状態でも、すぐに沸騰が起こるわけではありません。沸騰は、全体の液体が急激に気体に変わる現象で、平衡状態ではそのような変化は起きません。

沸騰が起きるためには、液体がすべて気体に変わる必要があります。平衡状態では、液体と気体が同時に存在し、互いに影響を与えています。したがって、沸騰が起きるには、液体の一部分が気化して気体の分圧を一時的に高め、蒸気圧が外圧より高くなる必要があります。

平衡状態では、蒸発と凝縮が等しく進行しているため、液体が完全に気体に変わることはありません。外圧と蒸気圧が等しくなると、気液平衡が達成されますが、これは液体が一気に蒸発する沸騰とは異なります。沸騰は外的な刺激（例えば、加熱）によって引き起こされる現象です。

気液平衡の状態では、外圧と蒸気圧が等しくなっても、沸騰は起きません。沸騰が起きるためには、液体が気体に変わるためのエネルギーが必要であり、平衡状態ではそのような変化が起きることはないのです。沸騰と気液平衡の違いを理解することが、化学の学習において非常に重要です。