昭和時代の古い建物では「㐧○○」という表記が見られることがありますが、この「㐧」は新字である「第」の旧字にあたります。年配の方々は「㐧」を使うことが多いとされ、現代では「第」の方が普及しています。この記事では、これらの文字の歴史的背景と、それに伴う文字の変遷について解説します。
「㐧」と「第」の違い
「㐧」は、明治時代から昭和初期にかけて使用されていた「第」の旧字であり、特に文書や表札などで見かけることがありました。現代では、「㐧」は新字にあたる「第」に取って代わられ、公共の場や公式な書類で使われることはほとんどなくなりました。しかし、昭和の建物や遺産には依然として「㐧」の表記が残っています。
一方で、「第」は現代の正式な漢字として使用され、特に数字や順位を表す際に一般的に用いられています。「第○回大会」や「第1章」などの表現でお馴染みです。この新字は、文字の簡略化を進める過程で導入されました。
文字の変遷:旧字から新字へ
日本語の漢字は、時代とともに変化してきました。明治時代には、漢字の簡略化が進められ、旧字と新字の違いが生まれました。例えば、「㐧」と「第」のように、同じ意味を持ちながら異なる形の文字が使われていたのです。
昭和の初期においては、「㐧」は比較的広く使われていたものの、次第に新字「第」が普及し、正式な場面ではこちらが主流となりました。新字が普及した背景には、文字教育の普及や、書きやすさ、印刷の効率化などが影響しています。
「㐧」を使う地域や文化的背景
「㐧」を見ることができるのは、主に昭和時代に建てられた古い建物や遺物に限られます。特に、古い商業施設や学校、公共施設では今でも見かけることがあります。これは、昭和初期においては「㐧」が一般的であったため、建物や看板の表記に使われていた名残です。
また、年配の方々が「㐧」を使うことが多いというのは、昭和時代に慣れ親しんだ文化が影響していると考えられます。古い習慣や言葉遣いが、生活や記憶に根付いているためです。
現代における「㐧」の使用状況
現代では、公式な文書や日常的な書き方ではほとんど「第」が使われています。例えば、郵便番号やイベントの回数など、番号を表す際には「第」が一般的です。しかし、「㐧」が使われることもありますが、それは主に歴史的な背景や装飾的な目的で見かけることが多いです。
「㐧」を使うこと自体は珍しいわけではありませんが、普段の生活の中ではあまり見かけることはなくなっています。むしろ、古い建物や文化遺産で「㐧」が使用されていることは、昭和時代の名残を感じさせる貴重なものとなっています。
まとめ
「㐧」と「第」は、同じ意味を持ちながらも時代とともに変遷した漢字です。昭和初期までは「㐧」が広く使われていましたが、現在では「第」の方が一般的に使われています。古い建物や年配の方々が使う「㐧」は、昭和時代の文化を色濃く反映した文字であり、今後もその歴史的な価値を大切にしていくことが重要です。
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