放物線の方程式を基に領域の不等式を求める問題は、数学の中でも非常に興味深く、また難易度が高い問題です。特に、実数の範囲で解を求める場合、条件設定や解釈を間違えないようにすることが重要です。この記事では、C₁とC₂の放物線が作る領域D₁とD₂に関連した問題を解く方法を解説します。
放物線の方程式とその領域
与えられた放物線の方程式は以下の通りです。
- C₁:y = (x – a)² + a²
- C₂:y = -(x – b)² + b
この問題では、aとbが実数全体を動くとき、それぞれの放物線が通過する領域を求める必要があります。まずは、C₁とC₂がそれぞれ作る領域D₁とD₂を理解し、その不等式を求めます。
(1) D₁を表す不等式
C₁の方程式y = (x – a)² + a²を考えると、aが変化することで、放物線が動きます。この放物線のy座標は、常にa²以上の値になります。なぜなら、(x – a)²の部分は常に非負であり、加算されるa²も非負だからです。
よって、D₁の不等式は次のようになります:y ≥ a²です。ここで、aが実数全体を動くため、この不等式は全ての実数xに対して成り立ちます。
(2) D₂を表す不等式
次に、C₂の方程式y = -(x – b)² + bを考えます。この放物線は、yが-(x – b)²で減少し、最高点はy = bです。放物線はbを最大値として下に開いています。
したがって、D₂の不等式は次のように表されます:y ≤ bです。こちらもbが実数全体を動くため、全ての実数xに対して成立します。
(3) D₁とD₂の共通部分の面積
次に、D₁とD₂の共通部分の面積を求めます。D₁の領域はy ≥ a²、D₂の領域はy ≤ bです。D₁とD₂が共通する部分は、a² ≤ y ≤ bの範囲になります。
ここで、aとbの関係により、共通部分が存在する場合と存在しない場合があります。具体的には、a² ≤ bとなるときに共通部分が存在します。この条件が成り立つとき、D₁とD₂の共通部分の面積は、x軸に対する積分を用いて求めることができます。
面積の求め方としては、まず共通する範囲のx値を特定し、その範囲内でy = (x – a)² + a²とy = -(x – b)² + bの差を積分する方法です。この計算により、共通部分の面積を得ることができます。
実数解を持つ場合について
問題で触れられている「実数解をもつこと」という条件は、放物線が実際に交差するための必要条件です。実数解を持たない場合、その放物線は交差せず、共通部分が存在しません。したがって、このような場合にはD₁とD₂の共通部分が存在しないことになります。
特に、aの値に応じてC₁の放物線が描く領域が異なるため、a²とbの大小関係が重要となり、解の存在を決定します。
まとめ
この問題では、放物線が描く領域を不等式で表すことと、その共通部分の面積を求めることが求められました。D₁とD₂の不等式を求める際には、放物線の形とその範囲を理解し、aやbの実数の動きに注意を払いながら進めることが重要です。また、実数解を持たない場合には共通部分が存在しないため、その点にも留意する必要があります。
コメント