「かかることなむせむと思ふ。ささげ物、ひと枝ふた枝せさせてたまへ」という大和物語の一節における「せさせて」の品詞がわからないという質問にお答えします。ここでは、「せ」「させ」「て」それぞれの品詞について解説します。
「せさせて」の品詞解説
まず、文全体の意味を簡単に把握しましょう。これは、ある人に対して物を奉げるための言葉で、動作を表す部分です。「せさせてたまへ」とは、「させる」という意味の動詞が用いられ、さらに「て」が続いて命令形が示されています。これを詳しく分解していきます。
「せ」は、動詞「す」の未然形にあたる形で、使役を表す動詞の一部として機能します。「させ」は「せ」に使役の助動詞「させる」が付いた形で、動作を他者に強制する意味を持ちます。「て」は接続助詞で、文と次の動詞を繋げる役割を果たします。
「せ」の品詞:動詞の未然形
「せ」は動詞「す」の未然形です。「す」は「する」という動詞ですが、その未然形である「せ」は、動詞に接続して使役を表現するために用いられます。具体的には、何かを「させる」「やらせる」など、誰かに何かを行わせるという意味を示します。
このように、「せ」は使役の意志を表すため、次に続く「させ」と結びついて意味が確定します。
「させ」の品詞:使役の助動詞
「させ」は、動詞「せ」に助動詞「させる」がついた形です。「させる」は使役の意味を持つ助動詞で、誰かに何かをさせるという意味を表します。従って、「させ」は他者に行動を強制するニュアンスが含まれます。
この使役の助動詞は、現代語でも「させる」として使用されますが、古典文学においては、もっと多くの動詞と結びついて使用されることが多いです。
「て」の品詞:接続助詞
「て」は接続助詞です。接続助詞は、文と文を繋げる役割を持ち、動作の連続や結果を示すために使います。この場合、「せさせて」という一連の動作をつなげ、次の部分(「たまへ」)に繋がる意味を持たせます。
接続助詞「て」を使うことで、動作の流れが自然に続き、命令形が強調される効果があります。
まとめ
「かかることなむせむと思ふ。ささげ物、ひと枝ふた枝せさせてたまへ」の「せさせて」は、「せ」が動詞「す」の未然形、そして「させ」が使役の助動詞、「て」が接続助詞という構成です。このように、古典文法では各品詞が連携して意味を形成するため、文法的な理解が深まります。
コメント