このページでは、有界閉区間[a, b]上で一様収束する可積分関数列f_nについて、lim[n→∞]f_nが可積分であり、lim[n→∞]∫_a^b f_n(x)dx = ∫_a^b lim[n→∞]f_n(x)dxとなる理由を証明します。これにより、一様収束と積分操作の交換が可能であることを理解することができます。
1. 一様収束とは
一様収束は、関数列f_nがある関数fに収束する際、その収束が「一様」であることを意味します。つまり、任意のε>0に対して、あるNが存在して、n≧Nの全てに対して|f_n(x) – f(x)| < εが成り立つ場合を言います。この収束性は、収束する速度がxの値に依存しないことが特徴です。
2. 可積分関数列の性質
f_nが可積分であるとは、関数f_nが区間[a, b]で積分可能であることを意味します。すなわち、∫_a^b |f_n(x)| dxが有限である必要があります。可積分である関数列において、一様収束が成立する場合、収束後の関数も可積分であることが重要です。
3. 一様収束と積分の交換定理
一様収束する可積分関数列f_nが、lim[n→∞]f_n = fで収束したとき、以下の2つが成り立ちます。
- lim[n→∞]f_n(x)が点wiseでf(x)に収束する。
- ∫_a^b f_n(x)dxがlim[n→∞]∫_a^b f_n(x)dxに収束し、かつf(x)も可積分である。
これにより、lim[n→∞]f_nが可積分であり、積分と極限が交換可能であることがわかります。
4. 証明の概要
まず、関数列f_nが一様収束するので、あるNに対して全てのn≧Nに対し、|f_n(x) – f(x)| < εとなります。次に、積分の絶対値に関して次のように考えます。
∫_a^b |f_n(x) – f(x)| dx < ε(b - a)。これが成立することで、積分の収束が保証され、最終的にlim[n→∞]∫_a^b f_n(x)dx = ∫_a^b lim[n→∞]f_n(x)dxが成り立ちます。
5. まとめ
この証明により、一様収束する可積分関数列に対して、極限と積分操作を交換することが可能であることが確認できました。この結果は、解析学における重要な定理であり、実際の計算や理論的な応用において非常に有用です。
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