下水処理で使われる微生物は、汚染物質を分解して水をきれいにする重要な役割を果たしています。お子さんが学んだように、しょうゆや廃油を水に流した場合、その水質を元に戻すために必要な水の量が大きく異なることがあります。この違いは、主に微生物が分解できる物質とできない物質があるためです。今回は、このメカニズムを簡単に解説していきます。
微生物と水質改善
下水処理場では、微生物を使って水中の有害物質を分解し、きれいな水に戻す作業を行っています。微生物が活発に働けるのは、有機物や簡単に分解できる物質に対してです。例えば、しょうゆなどの有機物は微生物によって比較的容易に分解され、水質を改善することができます。
しょうゆと廃油の違い
しょうゆは基本的に有機物で構成されており、微生物がこれを分解する際に必要な水の量は比較的少なくて済みます。ですが、廃油は油脂成分が含まれており、これは微生物による分解が難しいため、大量の水が必要になるのです。廃油は水に溶けにくく、微生物が分解するためには時間がかかり、より多くの水を使って薄める必要があります。
微生物の限界と分解速度
微生物は汚染物質を分解する能力に限界があります。例えば、油脂や化学物質は微生物による分解が非常に遅く、完全に分解するには大量の微生物や水を使う必要があるため、廃油の場合は水の量が膨大になります。一方で、しょうゆのような比較的分解しやすい有機物は、少量の水で処理が可能です。
まとめ
廃油としょうゆで水質改善に必要な水の量に大きな違いが生まれるのは、微生物の分解能力に関わる問題です。しょうゆのような有機物は比較的簡単に分解できるため、必要な水の量は少なく、廃油のような分解が難しい物質には大量の水が必要になります。このように、下水処理では汚染物質の性質に応じた処理が求められています。
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