この質問では、Cu2+を含む水溶液にHClを通し、その後H2Sを通した際に生じた沈殿について、イオン反応式を理解し正しい化学反応式を示すことが求められています。質問者が示した反応式と模範解答について解説し、どのような反応が実際に起こるのか、またその理由について詳しく説明します。
Cu2+水溶液にHClを通した後の反応
まず、Cu2+を含む水溶液にHClを通すと、塩酸の酸性条件下でCu2+とCl-が反応し、塩化銅（II）を形成します。これにより、水溶液は青色から透明に変化することがあります。この反応は次のように表されます。
Cu2+(aq) + 2Cl-(aq) → CuCl2(aq)
H2Sを通した後の反応
次に、Cu2+を含む水溶液にH2Sを通すと、H2S中の硫化物イオン（S2-）がCu2+と反応して、硫化銅（II）CuSの黒い沈殿を形成します。これにより、反応後の水溶液に黒色の沈殿が見られます。この反応は次のように表現されます。
Cu2+(aq) + S2-(aq) → CuS(s)
質問者の反応式の誤りとその理由
質問者が示した「Cu2+ + S2- → CuS」の反応式は一見正しいように思えますが、実際の反応ではCu2+がS2-と結びついてCuSを形成する過程において、H2Sが重要な役割を果たしています。H2Sは水溶液中で解離し、S2-イオンを供給するため、反応式を正確に表すにはH2Sの影響を考慮する必要があります。従って、模範解答で示された「Cu2+ + H2S → Cu2+ + 2H+」はH2Sが解離してH+を供給する過程を反映しており、より適切な反応式となります。
まとめ
Cu2+を含む水溶液にHClを通した後、H2Sを通すと、Cu2+とS2-が反応してCuSの沈殿が生じます。質問者の示した反応式は適切ではなく、正確な反応式はH2Sが反応に関与することを考慮する必要があります。化学反応式を理解するためには、反応に関与するすべての物質の役割を正確に把握することが重要です。
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