なぜ自分の実感よりもテレビで伝える気温を重視する人が多いのか？

最近、近所のおばあさんが「今日は41度もあった」と嘆いているのを耳にしましたが、実際にその日の気温は自分が住んでいる地域ではそれほど高くなく、他の地域の気温を重視する理由が気になった方も多いのではないでしょうか。本記事では、テレビの情報に影響を受ける心理的な背景やその影響について解説します。

1. 情報の受け手としての習慣

テレビで流れる天気予報や気象情報は、私たちの生活に欠かせないものです。特に、テレビのニュースは「信頼できる情報源」として広く認識されています。このため、たとえ自分が実際に感じている気温が違っていても、メディアで伝えられた「正確な情報」を重視してしまうことが多いのです。

また、地域ごとの気温差に関しても、テレビでは大きな数字を取り上げる傾向があり、それが視覚的に記憶に残るため、他の場所の気温を覚えてしまうことがあります。

自分が感じる暑さは、実際の気温とは必ずしも一致しません。人間の体感温度には湿度、風、日差しなどの要素が大きく影響しますが、テレビでは数字として示される気温が伝えられます。そのため、メディアが伝える気温のほうが「客観的な事実」として認識されやすいのです。

また、他人との会話で「〇〇度だよね」と話すときに、テレビの情報が自然と基準となってしまうこともあります。このように、情報源としてテレビに依存する心理が働きます。

テレビなどのメディアが広めた情報を友人や家族に伝えることは、社会的なつながりを持つ手段でもあります。特に「気温」などの簡単に比較できる情報は、会話の中で使いやすく、共感を呼びやすいです。そのため、テレビで聞いた情報がそのまま自分の意見として伝わることが多いのです。

これは、集団心理の一環ともいえます。多くの人が同じ情報を信じていると、それが「正しい情報」であると認識しやすくなるのです。

自分の実感とテレビの情報に差が生じるのは、情報を受け取る方法に違いがあるためです。テレビの気温情報を重視するのは、信頼性の高い情報源から得られる「客観的な事実」を重視する心理が働いているためです。

この心理的背景を理解することで、他人の意見や情報源に対する過度な依存を減らすことができ、より自己の経験を大切にした情報の受け取り方ができるようになります。