非反転式ヒステリシスコンパレータは、入力信号と出力の関係を正確に理解することが重要です。この回路では、入力電圧がある閾値を超えたときに出力が反転する動作が発生します。質問者様のご質問に基づき、LM311を用いた回路の動作について解説し、理解を深めるための具体的なアドバイスを行います。
1. LM311と非反転ヒステリシスコンパレータの概要
LM311はオープンコレクタ出力を持つコンパレータであり、正帰還を加えることでヒステリシス効果を実現します。これにより、入力信号が設定された閾値を越えた時のみ反転動作を行い、入力電圧の小さな変動に対しては安定した出力を提供します。
非反転式ヒステリシスコンパレータでは、非反転入力端子に正帰還を加えることによって出力の状態が安定します。この帰還により、入力が閾値を越えてもすぐに出力が反転するのではなく、ヒステリシスによってある範囲の入力変動が無視されます。
2. ご質問の回路における動作
質問者様が考えている回路では、LM311コンパレータの出力がどのように動作するかについて、以下のように認識されています。
- 非反転入力端子の電圧 < 反転入力端子の電圧の場合、コンパレータの出力はHigh (H) となり、出力トランジスタがONとなる。これにより、Voは0Vに接続されます。
- 非反転入力端子の電圧 > 反転入力端子の電圧の場合、コンパレータの出力はLow (L) となり、出力トランジスタがOFFとなり、VoはV+ (5V) となります。
この動作は、正帰還によって非反転入力端子の電圧が少しずつ変化し、出力が安定する状態になります。
3. 反転動作を引き起こすための条件
非反転ヒステリシスコンパレータの動作を理解するためには、出力の反転条件についての認識が重要です。質問者様が挙げたように、Vinの電圧が2.5Vを超える場合、出力は反転しやすく、Vinが2.5V以下になると、非反転入力端子の電圧も変更され、これによりヒステリシス効果が発揮されます。
具体的には、Vinが3V (VTH1) より大きくなる場合には、非反転入力端子の電圧がVinより0.5V小さくなり、出力が反転します。一方で、Vinが2V (VTH2) より小さい場合には、非反転入力端子の電圧はVinより0.5V大きくなり、反転が起こるためにはVTH2より小さな電圧が印加されます。
4. 正弦波入力時の動作条件
Vinに正弦波を入力する場合、入力信号の最大値がVTH1を超え、最小値がVTH2を下回る必要があります。これにより、コンパレータが正常に動作し、入力の変動に対して適切に反応します。もし、入力信号がこれらの閾値の範囲内で変化しない場合、コンパレータの動作は不安定になることがあります。
5. まとめ
質問者様の回路設計については、LM311を使用した非反転式ヒステリシスコンパレータが正しく動作するための基本的な理解ができていると思われます。出力の反転条件や正帰還の影響を考慮することで、所望の動作を実現することが可能です。これらのポイントを押さえ、実際の回路設計に役立てていただければと思います。
コメント