為替相場が変動すると、貿易における数量や額にどのような影響を与えるのでしょうか?この記事では、円/ドル為替相場が25%減価した場合における、日本の輸出・輸入の数量や額の変化について詳しく解説します。特に、価格弾力性が与えられた条件下での変化率の計算方法について説明します。
問題設定:円/ドル為替相場の減価と価格弾力性
この問題では、以下の情報が与えられています。
- 日本の輸出の価格弾力性 = 0.6
- 日本の輸入の価格弾力性 = 0.8
- 円/ドル為替相場が25%減価した場合
為替相場が25%減価するということは、円の価値が25%下がることを意味します。つまり、1ドルを買うために必要な円が増えるということです。これが日本の輸出入にどのような影響を与えるのかを計算していきます。
輸出数量の変化率 (ア)
輸出の価格弾力性が0.6であることを考慮して、為替相場の変動が日本の輸出数量に与える影響を計算します。
価格弾力性の公式に基づき、価格弾力性 = (%数量の変化) / (%価格の変化) となります。この場合、為替相場の変動が価格に与える影響を反映し、輸出数量の変化率を求めます。為替相場の25%減価が、輸出数量に与える影響は次の通りです。
輸出数量の変化率 = 価格弾力性 × 為替相場の変動率 = 0.6 × (-25%) = -15%
輸出額の変化率 (イ)
次に、輸出額の変化率を求めます。輸出額は数量と価格の積であり、数量が変動する一方で価格も変動します。
ここで、輸出価格が円建てで変化しないと仮定しているため、輸出額の変化率は輸出数量の変化率と一致します。
したがって、輸出額の変化率は -15% となります。
輸入数量の変化率 (ウ)
次に、輸入の価格弾力性が0.8であることを基に、輸入数量の変化率を求めます。
同じように価格弾力性の公式を使用し、輸入数量の変化率を求めます。
輸入数量の変化率 = 価格弾力性 × 為替相場の変動率 = 0.8 × 25% = 20%
輸入額の変化率 (エ)
最後に、輸入額の変化率を求めます。輸入額はドル建て価格と輸入数量の積です。為替相場の減価により、輸入額は増加しますが、数量の変化も考慮する必要があります。
ここでは、ドル建て価格が変化しないと仮定して、輸入額の変化率は輸入数量の変化率に為替相場の影響を加えたものとなります。
輸入額の変化率 = 価格変動による影響 + 数量変動による影響 = 20% + 25% = 45%
まとめ
為替相場が25%減価した場合、次のように変化率が計算されます。
- 輸出数量の変化率: -15%
- 輸出額の変化率: -15%
- 輸入数量の変化率: 20%
- 輸入額の変化率: 45%
これらの計算により、円安が日本の輸出に与える影響や輸入に与える影響を把握することができます。このような理解は、貿易政策や為替相場の変動に対する経済の反応を予測する際に重要です。
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