ミトコンドリア・イブという言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。彼女は、全人類の母系の共通祖先とされ、約16万年前のアフリカに生存していたとされています。しかし、彼女の母親はなぜミトコンドリア・イブと呼ばれないのでしょうか?その理由を紐解いていきます。
ミトコンドリアDNAとその継承の仕組み
ミトコンドリアDNA(mtDNA)は、細胞内のミトコンドリアに存在する遺伝物質で、母親からのみ子へと受け継がれます。これは、受精時に精子のミトコンドリアが卵子に取り込まれることなく、卵子のミトコンドリアのみが子に伝わるためです。この特性により、母系の系統を追跡することが可能となります。
ミトコンドリア・イブとは誰か
ミトコンドリア・イブとは、現生人類の母系の最も近い共通祖先を指す言葉で、約16万年前のアフリカに生存していたとされています。彼女は、当時の他の女性と同様に子孫を残していた可能性がありますが、彼女の子孫は女系を通じて現代に至るまで続いており、他の女性の子孫は途中で途絶えたため、現在の全人類が彼女の母系に遡ることができるのです。
なぜ彼女の母親はミトコンドリア・イブと呼ばれないのか
ミトコンドリア・イブの母親も、彼女と同様に子孫を残していた可能性がありますが、彼女の母系は現代に至るまで続いていません。これは、彼女の母親の子孫が男系のみで続いたり、女系が途絶えたりしたためです。ミトコンドリアDNAは母系のみで伝わるため、母親の母系が途絶えた結果、彼女の母親はミトコンドリア・イブとは呼ばれないのです。
まとめ
ミトコンドリア・イブとその母親の違いは、主に母系の系統が現代に至るまで続いているかどうかに起因します。ミトコンドリアDNAの母系遺伝の特性により、全人類の母系の共通祖先としてミトコンドリア・イブが位置づけられています。彼女の母親も同様に子孫を残していた可能性がありますが、女系が途絶えたため、ミトコンドリア・イブとは呼ばれないのです。
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