漢文を学ぶ際、返り点や書き下しの方法を理解することは重要です。今回は、漢文に返り点を付け、書き下しを行う方法を解説します。具体的な例を通じて、漢文の読み方を学んでいきましょう。
漢文の返り点とは?
返り点は、漢文を日本語で理解しやすくするために、文の順番を示すための記号です。漢文は、語順が日本語と異なり、返り点を付けることで日本語の語順に合わせた形で読みやすくなります。これにより、漢文を日本語の文脈に落とし込むことができます。
書き下し文の方法
書き下しとは、漢文を日本語の文法に従って書き直すことです。これには、返り点を参考にしつつ、漢文の意味を日本語に翻訳する必要があります。具体的には、漢字の意味を理解し、助詞や動詞を追加して日本語として通じるように書き下すことです。
具体例で学ぶ返り点と書き下し
以下の文を例に、返り点と書き下しを行います。
①
急度申候、先日如申候、阿蘇五ヶ所之者共、至此表去十四取懸候之間、即時爰許衆懸付候処、不能一戦、如健軍敗北候条、追込彼村、悉放火候、然者、今日十九津守・木山取懸、敵出合候間、遂合戦、百余討捕候、於隈庄口茂、甲斐名字之者、彼是頸十一顕然候、合志孫次郎如津守面発向候間、彼人数以粉骨敵討取、頸到来候、増々爰元無油断成下知候、可御心安候
書き下し:
急度申し候、先日申し候通り、阿蘇の五ヶ所の者共が、この表に来て十四ヶ所を取懸けて候う間、即座にここで皆懸け付け候ところ、戦うことができず、軍は敗北し、追い込んでその村を焼き払いました。その後、今日十九津守・木山が取懸け、敵と出会い、遂に戦い、百余名を討ち取りました。隈庄口の茂で甲斐名字の者が、彼が首を十一本見せました。合志孫次郎が津守の面を発向して、彼の人数をもって敵を粉骨し討ち取ったため、首も到着しました。これより、油断せず元気に知るべきことを心安にして頂きたいです。
②
筑前境目之儀、万事自此方者事之不出来事ニしまり可申儀肝要候、御代かハりニ候間、いかやうに仕かけ候共取合不申、彼方之諸行後之証拠ニ成候様ニ、状共可取置、口上ニ申含候事
書き下し:
筑前の境目のこと、万事これからこちら方が出てこない事にしまり、申し上げるべきことが肝要であります。御代替わりにあたり、いかように仕掛けても、取合いません。彼方の行動後の証拠になるように、状況を取っておき、口上に含めて申し上げるべきことです。
③
御郡鉄炮衆百人御返被成候様、御家老衆江申上候得者、芦北郡鉄炮衆之儀、御直ニそれぞれニ御割付被成候、其上御国持衆急ニ御そろひ被成候間、御相詰半ニ申上儀不成候条、郡中ゟ植付可仕候条、手永切ニ穿鑿被仕、荒発・苗代之儀可被申付候、左候而村々不残各被見廻、少茂無油断様可被申付候
書き下し:
郡の鉄炮衆百人に返すべきよう、家老衆に申し上げるべきことは、芦北郡の鉄炮衆のこと、御直にそれぞれに割り当てられるべきことです。その上で、御国持ち衆は急に揃ってください。そのため、相詰め半分に申し上げることができません。郡中で植え付けを行うことに関して、手を永切にして穿鑿を進め、荒発や苗代のことも申し付けます。左様に村々を不残に見回り、少しでも油断なくお願い申し上げます。
まとめ
漢文の返り点と書き下しを理解することは、漢詩や古文を学ぶ上で非常に重要です。返り点を使って、漢字の順番を日本語に合わせることで、漢文の内容を正確に理解することができます。書き下しの方法も、言葉の意味や構文を日本語に翻訳する際に役立ちます。
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