光束法による教室の照明計算方法と照明器具の選定

物理学

教室の照明計算は、効率的に明るさを確保するために重要です。光束法は、教室内の照明設計を行う際の基本的な手法の一つであり、必要な光束の量や照明器具の台数を計算するために使用されます。この記事では、教室の照明計算を光束法を使って解説し、実際に必要な照明器具の台数を求める方法について詳しく説明します。

1. 光束法とは?

光束法は、照明計算において、必要な照度(Lux)を確保するために必要な光束量を求める方法です。これにより、照明器具の選定や配置を最適化できます。照明器具が提供する光束(lm)と、部屋の寸法、反射率などの要素を基に計算を行います。

まずは、部屋のサイズや反射率、照明器具の特性を把握し、求められる照度を満たすために必要な光束を求めます。

2. 光束法による照明計算の手順

まず、必要な照度E(lx)が450lxと決まっている場合、次に計算すべき項目は室指数、照明率、照明器具の台数です。これらを順番に求めていきます。

(1)室指数の求め方

室指数は、照明器具と作業面(机面)との距離に基づいて求めます。ここでは、天井高(3.5m)から机上面の高さ(1.5m)を差し引いて、室指数を求めます。すなわち、室指数は天井高 – 机上面の高さとなります。

計算式:室指数 = 3.5m – 1.5m = 2m

(2)照明率の確認

照明率は、表4-9の「照明率表」に基づいて照明器具Aの照明率を確認します。照明率は、反射率や照明器具の特性に応じて変わります。この表に基づいて、照明率を読み取ります。

ここでは、照明器具Aの照明率を適用します。

(3)照明器具の台数の計算

照明器具の台数は、必要な光束量を各照明器具が提供する光束(3515lm)で割ることによって求めます。

照明器具の台数 = 必要な光束 / 照明器具1台あたりの光束 = 必要な光束量 / 3515lm

3. 計算例

教室のサイズは幅8m×奥行10m×天井高3.5mであり、机上面照度E=450lxを確保したいという条件のもとで計算を行います。

まず、部屋の面積を求めます。

面積 = 幅8m × 奥行10m = 80m²

次に、必要な光束量を求めます。必要な照度Eは450lxなので、必要な光束量は次のように計算します。

必要な光束量 = 照度 × 面積 = 450lx × 80m² = 36,000lm

最後に、照明器具の台数を求めます。1台あたりの光束が3515lmなので、必要な照明器具の台数は次のように計算できます。

照明器具の台数 = 必要な光束量 / 1台あたりの光束 = 36,000lm / 3515lm ≈ 10.24

したがって、照明器具は11台必要となります。

4. まとめ

光束法を使った照明計算では、部屋のサイズや反射率、照明器具の特性を基に必要な光束量を求め、それに基づいて照明器具の台数を計算することができます。教室のサイズや照度の条件が決まっている場合、必要な照明器具の台数を計算することで、効率的で適切な照明設計が可能になります。

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