三相3線式構内配電線路の力率改善と線路損失の計算方法

工学

三相3線式構内配電線路において、力率を改善するために電力用コンデンサを設置した場合の線路損失の計算方法について理解することは、電気工事士の試験などで非常に重要です。この記事では、力率改善後の線路損失を求める手順をわかりやすく解説します。

力率と線路損失の関係

まず、力率とは、電力供給の効率を示す指標です。力率が1.0であれば、全ての電力が有効に使用されていることを意味します。逆に、力率が低いと、無効電力が多く、効率が悪化します。

今回の問題では、力率を0.8から1.0に改善するために電力用コンデンサを設置した後の線路損失の変化を求めます。これを理解するためには、電力の損失がどのように変化するかを計算する必要があります。

計算のステップ

1. 力率改善前の線路損失:問題文によると、力率改善前の線路損失は2.5kWです。

2. 力率改善後の電流の関係:力率改善前の電流をI₁、改善後の電流をIとすると、IはI₁の0.8倍になります。

3. 線路損失の計算:線路損失は、電流の2乗と抵抗に比例します。したがって、改善後の線路損失は、改善前の損失の0.64倍となります。計算式で表すと、次のようになります。

3 × (0.8I₁)² × r = 2.5 × 0.64 = 1.6 kW

計算のポイント

最初の計算で√3を掛ける理由は、三相の電力計算において電圧と電流を使って電力を求める際に必要な補正を行うためです。また、3を掛ける理由は、三相システムにおいて線路に流れる全体の損失を考慮するためです。三相システムでは、電力は「3I²r」の式で表され、ここで「3」は3相を考慮した係数です。

まとめ

電力用コンデンサを設置することで、三相3線式配電線路の力率を1.0に改善することができます。この場合、線路損失は元の損失の0.64倍に減少し、結果として線路損失は1.6kWとなります。計算では、三相システムの特性を考慮して、電圧や電流、抵抗の関係を正しく理解することが重要です。

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