CFRP平板の引っ張り荷重による変位量の計算方法

物理学

この問題では、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)平板に加わる引っ張り荷重による変位量(Δl)を求める問題です。特に、繊維方向が0°, 45°, 90°の場合における変位量の計算を行います。CFRPの力学的特性を理解し、適切な計算方法を用いることが重要です。

1. CFRPの基本的な特性と弾性定数

CFRPは、炭素繊維が強化されたプラスチックで、高強度かつ軽量な材料として広く使用されています。問題において与えられた弾性定数は、CFRPの力学的性質を示しており、これらを用いて変位量を計算します。

  • 縦弾性率 (EL): 140 GPa
  • 横弾性率 (ET): 10 GPa
  • 剪断弾性率 (GLT): 5 GPa
  • ポアソン比 (VLT): 0.32

これらの基本弾性定数をもとに、繊維方向における挙動を解析することができます。

2. 引っ張り荷重と変位量の関係

引っ張り荷重による変位量(Δl)は、フックの法則に基づいて求めることができます。具体的には、次の式を使います。

Δl = (W * L) / (A * E)

ここで、Wは引っ張り荷重、Lは長さ、Aは断面積、Eは弾性率です。引っ張り荷重W = 3.4 kN、長さL = 100 mm、幅b = 50 mm、厚さh = 1.0 mmの平板で、断面積Aはb * hで求められます。

3. 繊維方向の違いによる計算方法

繊維方向が0°, 45°, 90°の各場合で、異なる弾性定数を使用して計算を行います。

3.1 繊維方向が0°の場合

繊維方向が0°の場合、縦弾性率ELを用いて計算します。E = ELとなり、上記の式に代入して変位量を求めます。

3.2 繊維方向が45°の場合

繊維方向が45°の場合は、等方性材料の挙動を考慮し、弾性定数の方向依存性を考慮して計算します。ここではETとGLTを組み合わせて計算を行います。

3.3 繊維方向が90°の場合

繊維方向が90°の場合、横弾性率ETを使用して計算します。繊維が90°の方向に配置されると、材料の変形が異なるため、ETを用いた計算が必要です。

4. 実際の計算例

この問題における各方向の変位量を計算する際に、必要な値を代入して計算していきます。

4.1 繊維方向が0°の場合

断面積A = 50 mm * 1.0 mm = 50 mm²、引っ張り荷重W = 3.4 kN = 3400 N、弾性率EL = 140 GPa = 140 × 10⁹ N/m² となり、

Δl = (3400 * 100) / (50 * 140 × 10⁹) = 0.004857 mm

4.2 繊維方向が45°の場合

計算にはETとGLTを組み合わせて使う必要があり、同様に計算を行います。

4.3 繊維方向が90°の場合

ETを用いて同様に計算を行います。

5. まとめ

CFRP平板の変位量を求めるためには、繊維方向に応じて適切な弾性定数を選び、適切な数値を代入して計算を行うことが重要です。問題における初期条件を正しく読み取り、必要な弾性定数を使用して、変位量を求めることができます。

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