「飛ぶ鳥の声も聞こえぬ奥山の深き心を人は知らなむ」の序詞と現代語訳解説

文学、古典

「飛ぶ鳥の声も聞こえぬ奥山の深き心を人は知らなむ」という和歌は、古今和歌集に収められた恋歌の一つで、作者不詳の「読人しらず」の作品です。この歌は、深い恋心を秘めた想いを相手に伝えたいという切なる願いを表現しています。

序詞の解説

「飛ぶ鳥の声も聞こえぬ奥山の」は「深き」にかかる序詞であり、山奥の静けさや深さが、恋心の深さや秘められた感情を象徴しています。これは、恋心が深く静かであることを表現するための修辞技法です。

品詞分解と文法解説

品詞分解は以下の通りです。

  • 飛ぶ(動詞・連体形)
  • (名詞)
  • (格助詞)
  • (名詞)
  • (副助詞)
  • 聞こえ(動詞・未然形)
  • (助動詞・打消)
  • 奥山(名詞)
  • (格助詞)
  • 深き(形容詞・連体形)
  • (名詞)
  • (格助詞)
  • (名詞)
  • (係助詞)
  • 知ら(動詞・未然形)
  • なむ(終助詞・願望)

文法的には、「知らなむ」の「なむ」は未然形に接続して願望を表す終助詞で、「知ってほしい」という意味になります。

現代語訳

「飛ぶ鳥の声も聞こえぬ奥山の深き心を人は知らなむ」は、現代語訳すると「飛ぶ鳥の声さえも聞こえないほど深い山、そのように深い心の奥に秘めた私の思いを、あの人には知ってもらいたいのです」となります。

まとめ

この和歌は、作者の深い恋心を表現するために、奥山の静けさと深さを序詞として用い、相手にその思いを知ってほしいという願いを込めています。古典文学における修辞技法や文法を理解することで、和歌の深い意味をより豊かに味わうことができます。

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