ニホンザル(Macaca fuscata)は、日本固有の霊長類であり、東日本と西日本で染色体数に顕著な違いが見られます。具体的には、東日本のニホンザルは2n=42本の染色体を持つのに対し、西日本の個体群は2n=60本を有しています。この違いは、染色体の融合によるものと考えられています。
染色体数の地域差の概要
東日本のニホンザルは、兵庫県と岡山県を境にして、西日本タイプと東日本タイプに分かれることが知られています。西日本タイプの特徴として、変異に富み古い系統に属する集団が多数保存されていることが挙げられます。一方、東日本タイプは、新しい系統が急速に北に分布を拡大していった経緯があることが示されています。
染色体数の違いの進化的背景
この染色体数の違いは、染色体の融合によるものと考えられています。具体的には、染色体の一部が融合することによって、染色体数が減少する現象が進化的に起こったとされています。これにより、東日本と西日本のニホンザルの間で染色体数の違いが生じたと考えられています。
遺伝的多様性と地域間の違い
遺伝的な手法による集団間変異の分析は、野生ニホンザルの集団が段階的に変異していく階層的なものであることを示しており、種としての進化の過程がどのようなものであったかを示唆しています。基本的には、岡山県および四国以西の西日本タイプと、兵庫県以東の東日本タイプに大別して考えるのが妥当であるとされています。
まとめ
ニホンザルの染色体数の違いは、東日本と西日本の間で顕著に見られ、その進化的背景には染色体の融合が関与しています。これらの地域間の違いは、ニホンザルの進化の過程や遺伝的多様性を理解する上で重要な手がかりとなります。
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