枕草子の「いかにわびしき心地しけむ」の「けむ」の用法について解説

文学、古典

「いかにわびしき心地しけむ」という枕草子の一節に登場する「けむ」について、なぜ文末ではなく連体形になるのかについて解説します。古典文学を学ぶうえで、文法的な理解が非常に重要です。特に古典の助動詞「けむ」の使い方を理解することは、作品をより深く味わうために役立ちます。

1. 「けむ」の基本的な意味と用法

「けむ」は古典文学において非常に重要な助動詞で、過去の推量を表現するために使われます。基本的には、「~だろう」「~しただろう」という意味を持ち、過去の出来事に対する推量や予想を示す際に用いられます。

また、「けむ」は「けり」の連体形として使われることがあり、これが「過去の推量」を表す重要なポイントとなります。現代日本語では、「だろう」「だっただろう」と訳されることが一般的です。

2. 文末ではなく連体形で使われる理由

「けむ」が連体形で使われる理由は、文法的な構造にあります。古典文学における連体形の助動詞は、名詞や動詞に続くことでその内容を修飾する役割を果たします。このため、文末に「けむ」を使う代わりに、連体形である「けむ」を使用することで、次に続く名詞や動詞に関連する推量を示すことができます。

具体的には、「いかにわびしき心地しけむ」とは「どれほど寂しい心地だっただろうか」という推量を示しており、「しけむ」の「し」は動詞「しける」(過去形)の連体形で、ここで過去の推量が表現されています。

3. 係り結びの関係について

質問者が指摘した「係り結び」の点についてですが、この場合、「けむ」は文の終止形に続いて使われており、係り結びとは関係がありません。係り結びは、通常、文の終止形で助詞が係り結ぶ場合に見られる現象ですが、この文ではそのような形式ではないため、係り結びの影響を受けていないことが分かります。

つまり、この「けむ」の使い方は、単に過去の推量を示すために連体形として使われているものです。

4. まとめ

「いかにわびしき心地しけむ」という枕草子の一節における「けむ」の使い方は、過去の推量を示すものであり、その文法的な役割を理解することが重要です。「けむ」が連体形として使われる理由は、次に続く名詞や動詞を修飾するためです。係り結びとは関係なく、推量の表現において使われることが理解できました。

このように、古典文学における助動詞の使い方は、現代語との違いを理解することで、作品をより深く楽しむことができるようになります。

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