ヘリウム原子核の位置の不確定性を求める方法|量子力学の不確定性原理の応用

物理学

量子力学における不確定性原理は、位置と運動量の不確定性の積がプランク定数の約半分以上であることを示しています。これにより、粒子の位置と運動量を同時に正確に知ることができないという制約が生じます。今回は、質量 m = 6.7 × 10-27 kg、速度 v = 1.0 × 10-3 m/s のヘリウム原子核について、位置の不確定性を求める方法を解説します。

不確定性原理の基礎

不確定性原理は、位置と運動量の不確定性 Δx と Δp の積が次のように表されることを示しています。

Δx × Δp ≥ h / 4π

ここで、h はプランク定数です。運動量 p は質量 m と速度 v の積であり、p = m × v と表されます。

ヘリウム原子核の運動量の計算

ヘリウム原子核の運動量 p は、質量 m と速度 v を用いて次のように計算されます。

p = m × v = (6.7 × 10-27 kg) × (1.0 × 10-3 m/s) = 6.7 × 10-30 kg·m/s

この運動量を不確定性原理の式に代入することで、位置の不確定性 Δx を求めることができます。

位置の不確定性の計算

不確定性原理の式を Δx について解くと。

Δx ≥ h / (4π × Δp)

ここで、Δp は運動量の不確定性であり、Δp ≈ p と仮定します。プランク定数 h は 6.626 × 10-34 J·s です。これらの値を代入すると。

Δx ≥ (6.626 × 10-34 J·s) / (4π × 6.7 × 10-30 kg·m/s) ≈ 2.5 × 10-5 m

したがって、ヘリウム原子核の位置の不確定性は約 2.5 × 10-5 m、すなわち 25 μm となります。

まとめ

ヘリウム原子核の質量と速度から、位置の不確定性を求めることができました。これは量子力学の不確定性原理を応用した計算であり、粒子の位置と運動量を同時に正確に知ることができないという量子力学の基本的な特性を示しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました