公共財の効率的な供給量と消費者余剰の計算方法:例題を用いた解説

大学数学

公共財に関する問題では、供給と需要の曲線を用いて効率的な供給量や消費者余剰を求めることが重要です。本記事では、個人Aと個人Bの公共財需要曲線が与えられた場合に、効率的な供給を実現するための価格や供給量、消費者余剰を求める方法について解説します。具体的な数式とステップを解説しながら、理解を深めていきましょう。

(1)効率的な供給を実現する価格の計算

まず、効率的な供給を実現するためには、公共財の供給曲線と需要曲線が一致する点を見つける必要があります。個人Aと個人Bの公共財需要曲線はそれぞれ以下の通りです。

P = -200Q + 700(個人Aの需要曲線)
P = -150Q + 375(個人Bの需要曲線)
公共財の供給曲線はP = 375です。

需要曲線を合成するため、両者の需要を足し合わせます。個人Aと個人Bの需要を足すと、公共財の総需要曲線は次のようになります。

P = -200Q + 700 + (-150Q + 375) = -350Q + 1075

次に、供給曲線と需要曲線を一致させるために、供給価格375を需要曲線に代入します。

-350Q + 1075 = 375
-350Q = 375 – 1075 = -700
Q = 2

よって、効率的な供給を実現するための公共財の価格は375で、供給量はQ = 2です。

(2)効率的な供給量の計算

効率的な供給量は、供給曲線と総需要曲線が交わる点で決まります。先程の計算から、供給量Q = 2であることがわかりました。この供給量が効率的な供給量となります。

したがって、効率的な供給量はQ = 2です。

(3)個人Aの消費者余剰の計算

消費者余剰は、消費者が支払う意欲と実際に支払った価格の差で計算できます。個人Aの需要曲線はP = -200Q + 700です。まず、Q = 0の場合の価格を求めます。

P = -200(0) + 700 = 700

次に、効率的な供給量Q = 2における価格を求めます。

P = -200(2) + 700 = 300

消費者余剰は三角形の面積として計算できます。三角形の面積は、(1/2) * 基底 * 高さで求められます。基底は供給量Q = 2、高さは700 – 300です。

消費者余剰 = (1/2) * 2 * (700 – 300) = 400

したがって、個人Aの消費者余剰は400です。

(4)個人Bの消費者余剰の計算

同様に、個人Bの消費者余剰を計算します。個人Bの需要曲線はP = -150Q + 375です。まず、Q = 0の場合の価格を求めます。

P = -150(0) + 375 = 375

次に、効率的な供給量Q = 2における価格を求めます。

P = -150(2) + 375 = 75

個人Bの消費者余剰も三角形の面積として計算できます。基底はQ = 2、高さは375 – 75です。

消費者余剰 = (1/2) * 2 * (375 – 75) = 300

したがって、個人Bの消費者余剰は300です。

(5)総余剰の計算

総余剰は、個人Aと個人Bの消費者余剰を足し合わせたものです。個人Aの消費者余剰が400、個人Bの消費者余剰が300であるため、総余剰は以下の通りです。

総余剰 = 400 + 300 = 700

まとめ

このようにして、公共財の効率的な供給を実現するための価格や供給量、消費者余剰を求める方法がわかりました。効率的な供給を実現するためには、需要曲線を合成し、供給曲線と一致させることが重要です。また、消費者余剰の計算を通じて、公共財がどれだけ社会的に利益をもたらすかを理解することができます。

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