高校化学の問題で、銅が希硝酸に反応してNO(一酸化窒素)を発生させる反応の化学反応式を求める問題について解説します。この反応は酸化還元反応であり、半反応式を使って解く方法を説明します。
銅の酸化還元反応とは?
銅が希硝酸に反応してNOを発生させる反応は、酸化還元反応です。酸化還元反応では、電子の移動が関与します。銅は酸化され、硝酸中の窒素は還元されます。この反応を正しく理解するためには、半反応式を使って酸化と還元の過程を分けて考えます。
酸化反応と還元反応
酸化反応では、銅が電子を失い、Cu²⁺になる反応が進行します。これを化学反応式で表すと、次のようになります。
Cu → Cu²⁺ + 2e⁻
次に、還元反応です。還元反応では、NO₃⁻(硝酸イオン)が電子を受け取り、一酸化窒素(NO)を生成します。この反応を表すと。
NO₃⁻ + 4H⁺ + 3e⁻ → NO + 2H₂O
全反応式の導出
次に、酸化反応と還元反応を合わせて全反応式を求めます。酸化反応で放出された電子は還元反応で使われますので、電子の数を調整します。
酸化反応の電子数は2、還元反応の電子数は3なので、それぞれの反応を適切な係数で調整します。酸化反応に3を掛け、還元反応に2を掛けて、電子数を一致させます。
3Cu → 3Cu²⁺ + 6e⁻
2NO₃⁻ + 8H⁺ + 6e⁻ → 2NO + 4H₂O
これで、電子数が一致したので、両反応式を足し合わせます。すると、最終的な全反応式は以下のようになります。
3Cu + 2NO₃⁻ + 8H⁺ → 3Cu²⁺ + 2NO + 4H₂O
まとめ
銅が希硝酸に反応してNOを発生させる反応は、酸化還元反応です。酸化反応と還元反応をそれぞれ半反応式で分けて考え、電子の数を調整することで全反応式を求めることができます。このようにして、化学反応式を解くことができます。
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