旋削加工で発生する切削動力は、いくつかの要素を考慮して計算することができます。今回は、直径20mmの工作物を回転させ、せん断応力600MPa、回転数120rpm、すくい角3°、工具幅2mm、切込み0.8mmで突っ切り加工を行う際の切削動力の求め方について解説します。
切削動力の求め方
切削動力は、切削速度、工具の摩擦、せん断応力などの要素に基づいて計算することができます。切削動力を求める基本的な式は次のようになります。
切削動力(P) = F × V
ここで、Fは切削力、Vは切削速度です。切削力は、せん断応力、工具幅、切りくずの厚さなどの要素を元に計算されます。
計算に必要なパラメータ
問題に与えられたパラメータを整理します。
- 工作物の直径: 20mm
- せん断応力: 600MPa
- 回転数: 120 rpm
- すくい角: 3°
- 工具幅: 2mm
- 切込み: 0.8mm
- 切りくずの厚さ: 1.2mm
- 摩擦係数: 0.3
次に、これらのデータを基に具体的な切削力を求め、切削動力を算出します。
切削力の計算
切削力Fは、せん断応力τ、切りくずの厚さh、工具幅bを使って求めることができます。
F = τ × b × h
ここで、τはせん断応力(600MPa)、bは工具幅(2mm)、hは切りくずの厚さ(1.2mm)です。
代入すると。
F = 600MPa × 2mm × 1.2mm
F = 1440N
切削速度の計算
次に、切削速度Vを求めます。切削速度は、工作物の直径Dと回転数nを使って次のように求めます。
V = π × D × n
ここで、Dは工作物の直径(20mm)、nは回転数(120rpm)です。
代入すると。
V = π × 20mm × 120rpm = 7539.82mm/min ≈ 7.54m/s
切削動力の計算
最後に、切削動力Pを求めます。切削動力は、切削力Fと切削速度Vを掛け合わせることで求めます。
P = F × V
代入すると。
P = 1440N × 7.54m/s = 10813.6W ≈ 10.8kW
まとめ
今回の旋削加工における切削動力は、約10.8kWとなります。この計算は、せん断応力、切りくずの厚さ、工具幅、回転数などのパラメータに基づいています。切削動力の計算には、加工条件を正確に理解することが重要であり、特に工具や材料の特性に関する知識が求められます。
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