自動車の急ブレーキと動摩擦力の計算方法【高校物理】

物理学

自動車が急ブレーキをかけて停止する際、タイヤと路面との間に働く動摩擦力の計算問題は、高校物理でよく出題されます。今回の問題では、400kgの自動車が36km/hで走行している状態で急ブレーキをかけ、10m滑って停止した時の動摩擦力の大きさを求めます。

1. 動摩擦力の計算に必要な情報

問題で与えられた情報は以下の通りです。

  • 自動車の質量:1000kg
  • 速度:36km/h(10m/s)
  • 停止距離:10m
  • 摩擦力は一定であると仮定

まず、摩擦力を求めるためには、自動車が停止するまでにどれくらいの減速があったかを計算します。そのためには運動方程式を使います。

2. 運動方程式の適用

運動方程式の一つである「v^2 = u^2 + 2as」を使います。

  • v = 最終速度(0m/s、停止しているので)
  • u = 初速度(10m/s)
  • a = 加速度(または減速度)
  • s = 移動距離(10m)

式に値を代入して、加速度を求めます。

3. 加速度の求め方

運動方程式に代入してみましょう。

0 = 10^2 + 2 × a × 10

この式を解くと、a = -5 m/s² となります。つまり、加速度(減速)は-5 m/s² です。

4. 動摩擦力の計算

次に、動摩擦力を求めます。摩擦力はニュートンの第二法則に基づいて計算できます。力は質量×加速度で求められるので。

F = ma

ここで、Fが動摩擦力、mが質量(1000kg)、aが加速度(-5m/s²)です。これを代入すると。

F = 1000 × -5 = -5000N

したがって、タイヤと路面との間に働く動摩擦力は5000N(負の符号は方向を示す)です。

5. まとめ

自動車が急ブレーキをかけて停止する過程で働く動摩擦力の大きさは、5000Nと計算されました。この問題では、運動方程式とニュートンの第二法則を使い、減速の過程を求めることができました。物理学的な理解が深まることで、実生活での力の働きについてもより良い洞察を得ることができます。

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