自由落下と鉛直投射運動における式の立て方とその解説

物理学

この問題は、自由落下と鉛直投射運動を理解し、それぞれの運動を計算する方法について学ぶ良い機会です。ここでは、2つの物体(小球Aと小球B)が同時に動き、同じ高さを通過するまでの時間とその高さ、またそれぞれの速度について解説します。

問題設定と運動の概要

小球Aは高さ8.0mから自由落下させられ、同時に小球Bは初速度8.0m/sで鉛直上方に投射されます。2つの物体は地上に落下する前に同じ高さの点を通過します。ここで求めるべきは、まずその時間tとその高さh、そして同じ高さを通過した時の速度です。

解説:式の立て方と計算方法

問題を解くためには、2つの物体の運動に関する式を立て、時間と高さを求める必要があります。最初に小球Aと小球Bの運動についてそれぞれ式を立てます。

小球Aの運動:自由落下の運動ですから、Aの移動距離y₁は次の式で表せます。

y₁ = (1/2) * g * t²

ここでgは重力加速度であり、tは時間です。

次に、小球Bの運動は初速度8.0m/sで上向きに投射される運動です。Bの高さy₂は次の式で表されます。

y₂ = 8.0t – (1/2) * g * t²

質問の疑問点に対する解説

質問者の疑問点には、いくつかの重要なポイントが含まれています。以下では、各質問に対して詳しく解説します。

1. 鉛直上向きを正としているのに、Bの式がなぜ8.0t – (1/2) * g * t²にならないのか? ここで気を付けなければいけないのは、Bの初速度は鉛直上方に与えられているので、t²の項の符号は負にならないという点です。すなわち、鉛直上向きを正の方向として、上向きの速度が8.0m/sであるため、その速度を正として扱います。

2. Aの式が-1/2 * (-g) * t²を経て、1/2 * g * t²なのか? Aの運動は自由落下ですから、下向きの加速度がgです。鉛直上向きを正とすると、Aの加速度は負になります。したがって、式には-1/2 * g * t²の形で現れます。

3. 「同じ高さ」とはy₁=y₂だと思うが、なぜy₁+y₂=8.0なのか? これは2つの物体の高さの和が8.0mであることを意味します。つまり、Aの落下距離とBの上昇距離を足し合わせると、最初の高さ8.0mに達するという意味です。

時間と高さの計算

t(s)後に、AとBは同じ高さに達します。この時、y₁ + y₂ = 8.0mという関係が成り立ちます。AとBが同じ高さを通過するための時間tは、次のように求められます。

y₁ + y₂ = 8.0

t = 1.0秒

この時の高さhは、y₂にt = 1.0秒を代入して計算できます。h = 3.1mです。

同じ高さを通過した時の速度

同じ高さを通過した時のAとBの速度を求めます。Aの速度Vₐは、自由落下の加速度gを用いて計算することができます。

Vₐ = -g * t = -9.8 * 1.0 = -9.8 m/s

Bの速度Vbは、上向きの速度が初速8.0m/sから減速していることを考慮して計算できます。

Vb = 8.0 – g * t = 8.0 – 9.8 * 1.0 = -1.8 m/s

まとめ

運動量の保存と物体の速度を求める際には、物体の運動方程式を正確に立てることが重要です。特に、上向きと下向きの運動では符号に注意し、適切に式を立てていくことが必要です。また、同じ高さを通過した時の速度も、運動エネルギーや力学的エネルギーの保存を理解して求めることができます。

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