失語症は、脳の言語中枢が損傷を受けることによって発症する言語障害です。発症後、言葉を発することや理解することが困難になる一方で、周囲の人や物を認識する能力や、感情を表現する能力は保持されることが多いとされています。
失語症の概要と症状
失語症は、脳卒中や外傷などによって脳の言語を司る部位が損傷されることで発症します。主な症状としては、言葉が出てこない、言い間違いをする、文章を作るのが難しい、相手の話を理解しにくい、文字を読む・書くのが困難になるなどがあります。これらの症状は、損傷を受けた脳の部位や範囲によって異なります。
発症後の認識能力と感情表現
失語症の患者は、言葉の障害があっても、周囲の人や物を認識する能力や、感情を表現する能力は保持されることが多いです。例えば、発症後でも家族や友人を認識し、感情を表現することが可能な場合があります。これは、言語中枢とは別の脳の部位が関与しているためと考えられています。
全失語の実態と症例
全失語とは、話す、聞く、読む、書くといった言語機能がすべて重度に障害される状態を指します。全失語の患者でも、非言語的なコミュニケーション手段を用いて意思疎通を図ることが可能な場合があります。例えば、身振り手振りや表情、視線の使い方などが挙げられます。
失語症のリハビリテーションと支援
失語症のリハビリテーションは、言語聴覚士によって行われます。リハビリの内容は、患者の症状や状態に応じて個別に計画されます。例えば、言葉を思い出す訓練や、簡単な会話の練習、文字を書く訓練などが行われます。また、家族や周囲の人々の理解と協力も、回復には重要な要素となります。
まとめ
失語症は、言葉の障害が主な症状ですが、周囲の人や物を認識する能力や感情を表現する能力は保持されることが多いです。全失語の状態でも、非言語的なコミュニケーション手段を用いて意思疎通を図ることが可能な場合があります。リハビリテーションを通じて、言語機能の回復が期待されます。
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