完全体K上の有理関数体K(x1,…,xn)が再び完全体になるか?

数学

体論において、「完全体K上の有理関数体K(x1,…,xn)が再び完全体になるか?」という問題は、非常に興味深い問いです。本記事では、この問題に対する証明や反例を紹介し、完全体とその有理関数体に関する基本的な理解を深めます。

完全体とは?

まず、完全体について簡単に説明します。完全体とは、代数方程式のすべての解がその体に含まれる体のことです。すなわち、任意の代数方程式に対してその体内にすべての解が存在します。例えば、複素数体Cは実数体Rの代数的閉包であり、完全体の一例です。

完全体は非常に重要な役割を果たします。特に、代数方程式の解がどの体に存在するかを考える際には、完全体の性質が関わってきます。

有理関数体K(x1,…,xn)とは?

次に、有理関数体K(x1,…,xn)について説明します。K(x1,…,xn)は、K上のn個の変数x1, x2, …, xnを用いて、Kの元で構成された有理関数の集合です。つまり、K(x1,…,xn)は、Kにおける有理関数の体であり、分子と分母がKの元である多項式の比として表されます。

有理関数体は、関数解析や代数幾何学においても非常に重要であり、体論や代数方程式の解を考える上で基本的な概念となります。

完全体K上の有理関数体K(x1,…,xn)が完全体になるか?

問題の核心は、「完全体K上の有理関数体K(x1,…,xn)が再び完全体になるか?」という問いです。この問いの答えは、一般的には「ならない」ということになります。

具体的には、有理関数体K(x1,…,xn)は、K上の代数的な拡大体ですが、K自体が完全体であっても、その有理関数体が再び完全体になるとは限りません。特に、K(x1,…,xn)はKの代数閉包を含むことがあり、必ずしも完全体でないことがあります。

反例:代数閉包が完全体でない場合

反例として、Kを有理数体Qとし、K(x)をQ(x)としましょう。Qは完全体ではなく、Q(x)もまた完全体にはなりません。Q(x)は有理関数体であり、Qの代数閉包を含んでいますが、Q自体が代数閉体ではないため、Q(x)は完全体にはなりません。

まとめ

完全体K上の有理関数体K(x1,…,xn)が再び完全体になるかという問いに対する答えは、「一般的にはならない」です。K自体が完全体であっても、その有理関数体が完全体になるとは限りません。具体的な反例として、Q(x)が完全体ではないことが挙げられます。

この問題は体論における重要な理解を深める上での一歩となりますので、代数的閉包や体の拡大に関する知識を深めていくことが大切です。

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