活性汚泥法の排水処理におけるDOとORPの関係とその原因

活性汚泥法の排水処理において、DO（溶存酸素）が6.0以上に上がるにもかかわらず、ORP（酸化還元電位）が150以上に上がらないという現象が発生することがあります。この問題に関して、可能性のある原因や解決策について詳しく解説します。

活性汚泥法とは

活性汚泥法は、微生物を利用して水中の有機物を分解する排水処理技術です。汚水中の有機物を分解するためには、酸素供給が重要であり、DOの管理が処理効率に大きく影響します。

DOとORPの違いと関係

DO（溶存酸素）は、微生物が有機物を分解するために必要な酸素の量を示します。一方、ORP（酸化還元電位）は、水質の酸化還元状態を示す指標であり、微生物活動や化学反応の活性を反映します。通常、DOが高い状態であれば、ORPも高くなる傾向にありますが、必ずしも比例するわけではありません。

DOが高いのにORPが低い原因

DOは高いのにORPが150以上に上がらない原因として、以下のような要因が考えられます。

• 微生物の活性が低下している
• 有機物の供給不足や特定の化学物質の影響
• 水質が過剰に還元的である場合
• 測定誤差やセンサーの不具合

特に、還元性の高い物質が水中に存在する場合、酸化還元反応が進まないことがあります。これにより、ORPが思うように上昇しないことがあります。

解決策と対策

DOとORPのバランスをうまく取るためには、次のような対策が有効です。

• 微生物活性を高めるための栄養バランスを見直す
• 酸素供給量を調整し、適切な環境を提供する
• 水質の改善や還元物質の管理を行う

まとめ

活性汚泥法におけるDOとORPの関係は複雑であり、DOが高くてもORPが低い場合には、微生物の活性や水質、酸化還元状態に関する問題が影響している可能性があります。適切な管理と対策を行うことで、排水処理の効率を向上させることができます。