集合論でよく登場する「濃度」という概念。ここでは、集合の濃度に関して基本的な性質をいくつか証明していきます。数学を学ぶ上で集合の濃度は重要な概念の一つであり、日常的に使われる操作を理解するためにも基本的な性質を知っておくと便利です。
1. 濃度の定義と基本的な性質
まずは集合の濃度について簡単に復習しましょう。集合AとBの濃度をそれぞれmとnとしたとき、mやnは集合に含まれる要素の数を示すものです。この濃度に関するいくつかの性質を次に紹介します。
2. (1) m + 0 = m の証明
まず、m + 0 = m について考えてみましょう。集合Aに含まれる要素の数をmとし、空集合の濃度を0とします。集合Aと空集合の和集合は集合Aそのものであるため、その濃度はmと等しくなります。このことから、m + 0 = mが成り立ちます。
3. (2) m・0 = 0 の証明
次に、m・0 = 0について考えます。集合Aの濃度mに対し、空集合との積を求めます。集合Aと空集合の積は空集合になります。したがって、空集合の濃度は0であり、この式はm・0 = 0が成り立つことを示します。
4. (3) m・1 = m の証明
次は、m・1 = m の証明です。集合Aにおける濃度mと、単一要素の集合との積を考えます。単一要素の集合を1とする場合、その積は集合Aそのものであり、その濃度はmと等しくなります。このため、m・1 = mが成り立ちます。
5. (4) (m + n)p = mp + np の証明
最後に、(m + n)p = mp + npの証明を行います。ここでpは集合Bの濃度を示します。集合AとBの和集合の濃度は、それぞれの集合A、Bの濃度の和にpを掛けたものになります。このため、(m + n)p = mp + npが成り立ちます。
6. まとめ
以上で、集合の濃度に関する基本的な性質を証明しました。これらの性質は集合論の基本を理解する上で非常に重要です。集合の操作を行う際に役立つ基本的な法則として、ぜひ覚えておきましょう。
コメント