直流分巻発電機の定格出力に関連する問題は、発電機の性能を理解するうえで重要です。この問題では、定格電圧と定格出力に基づき、誘導起電力を求めるための考え方について解説します。また、機械損が含まれた場合と含まれない場合の計算の違いについても説明します。
1. 定格電流の求め方
まず、定格出力100kW、定格電圧220Vの直流分巻発電機における定格電流を求めます。定格出力は、電力P(W)であり、次の式で計算できます。
P = V × I という式に基づき、定格電流Iは I = P / V となります。具体的には、定格出力100kWを220Vで割ると、定格電流は100000W / 220V = 454.5A となります。
2. 機械損を含めるべきかどうか
機械損は発電機におけるエネルギー損失の一部です。問題文で述べられているように、機械損は1.8kWとなっていますが、これは計算に含めるべきではありません。なぜなら、誘導起電力を求める際には、あくまで発電機の理論的な運転における電気的な特性を考慮するからです。
したがって、機械損は計算に影響を与えないため、誘導起電力の計算には含めなくても正しい結果を得ることができます。
3. 誘導起電力の求め方
誘導起電力Eは、発電機の回転によって生じる電圧であり、次の式で求められます。
E = V + I * (R_電機子) という式に基づき、誘導起電力を求めます。ここで、R_電機子は電機子巻線の抵抗です。
この場合、Iは定格電流454.5A、R_電機子は0.05Ωですので、E = 220V + 454.5A * 0.05Ω = 220V + 22.725V = 242.725V となります。
4. 結論
誘導起電力は242.725Vとなります。機械損を含めない理由は、誘導起電力を求める際に重要なのは電気的な特性であり、機械的な損失はこの計算に含めなくても良いためです。これにより、問題の求める誘導起電力の正しい値を得ることができます。
コメント