「塩化ナトリウム水溶液に硝酸銀水溶液を加えると、塩化銀の白色沈殿が生じた」という化学反応において、なぜNaNO3（硝酸ナトリウム）が反応式に現れるのか疑問に思った方も多いかもしれません。この記事では、この反応式とNaNO3が登場する理由について詳しく解説します。
反応式の基本
まず、塩化ナトリウム（NaCl）と硝酸銀（AgNO3）が反応したときの反応式は以下の通りです。
NaCl + AgNO3 → NaNO3 + AgCl
この反応で、塩化ナトリウムと硝酸銀が化学反応を起こし、塩化銀（AgCl）の白色沈殿が生じます。この反応で重要なのは、反応後にNaNO3（硝酸ナトリウム）が生成されるという点です。では、なぜこの物質が登場するのでしょうか？
NaNO3の登場理由
NaNO3（硝酸ナトリウム）は、塩化ナトリウムと硝酸銀が反応した結果、生成される塩です。この反応では、NaClとAgNO3がそれぞれ別のイオンに解離し、反応して沈殿物（AgCl）が形成されます。
具体的には、NaClはNa⁺（ナトリウムイオン）とCl⁻（塩化物イオン）に、AgNO3はAg⁺（銀イオン）とNO3⁻（硝酸イオン）に解離します。Ag⁺とCl⁻が反応してAgClを形成し、残ったNa⁺とNO3⁻が反応してNaNO3を生成するのです。
なぜNaNO3が書かれているのか？
質問者さんが「NaNO3が書かれていないのに急に出てきた」と感じるのは、その反応式が完全な化学反応式であるためです。実際に化学反応では、すべての物質が反応後にどのように変化するかが記載される必要があります。
反応式にNaNO3が含まれているのは、実際にその物質が反応後に生成されるためであり、反応式を正確に記述するためには、生成された物質もすべて書く必要があるからです。つまり、反応式には、反応のすべての過程が示されており、NaNO3はその一部です。
まとめ
塩化ナトリウムと硝酸銀が反応する過程でNaNO3（硝酸ナトリウム）が生成されるのは、反応後に残るイオン（Na⁺とNO3⁻）が結びついて生成されるためです。反応式にNaNO3が登場するのは、化学反応式を正確に表現するために必要な情報です。反応式を完全に理解することで、化学反応の全体像がより明確に把握できるでしょう。
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