二変数関数の極値を求める問題において、特に極値の判定が難しい場合があります。今回は、関数 f(x, y) = x³ + y³ + x² + 2xy + y² の極値を求める方法を解説します。特に (0,0) における極値の判定についても詳しく説明します。
問題の整理
与えられた関数 f(x, y) は、次のように表されます。
f(x, y) = x³ + y³ + x² + 2xy + y²
この関数の極値を求めるためには、まず偏導関数を求め、次にそれらの解がどのような性質を持つかを判定する必要があります。
偏導関数を求める
関数 f(x, y) の偏導関数を求めます。
∂f/∂x = 3x² + 2x + 2y
∂f/∂y = 3y² + 2x + 2y
これらの偏導関数が0になる点を求めることで、極値候補を得ることができます。
(0, 0) における極値判定
まず、(0,0) における偏導関数を求めます。
∂f/∂x at (0,0) = 3(0)² + 2(0) + 2(0) = 0
∂f/∂y at (0,0) = 3(0)² + 2(0) + 2(0) = 0
したがって、(0,0) は極値の候補となります。しかし、ここで注意すべきは、(0,0) の周りの二次の変化がどのようなものかを判断するために、ヘッセ行列を求める必要がある点です。
ヘッセ行列の計算と判定
ヘッセ行列は、2次導関数の行列です。関数 f(x, y) におけるヘッセ行列は次のようになります。
H = [[∂²f/∂x², ∂²f/∂x∂y], [∂²f/∂y∂x, ∂²f/∂y²]]
これらの二次導関数を計算すると、次のようになります。
∂²f/∂x² = 6x + 2
∂²f/∂x∂y = 2
∂²f/∂y² = 6y + 2
したがって、ヘッセ行列 H は次のように表されます。
H = [[6x + 2, 2], [2, 6y + 2]]
これを (0,0) に代入すると。
H = [[2, 2], [2, 2]]
ヘッセ行列の行列式を求めると。
det(H) = (2)(2) – (2)(2) = 0
行列式が0であるため、(0,0) における極値の判定はできません。次のステップとして、x = -y を考えた場合について調べることになります。
x = -y の場合
教科書には、x = -y を考えるように書かれています。これにより、関数 f(x, y) の形が簡単になる可能性があります。x = -y を代入して、関数の形を再評価し、極値が判定できるかを確認します。
まとめ
(0,0) で極値の判定ができない場合、ヘッセ行列の行列式が0になるため、次に進むためには他の方法を考えなければなりません。x = -y という式を使うことで、より簡単に極値の位置を特定することができます。これらの手順を踏むことで、極値の問題を解決することができます。
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