なぜ北洋水師はドイツの軍艦を選んだのか?英国海軍との関係と背景

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19世紀後半、世界の海を支配していたのは他ならぬ英国でした。英国はその強大な海軍力と先進的な造船業で知られており、海軍の戦列艦の数は他国の海軍を圧倒していました。しかし、なぜ中国の北洋水師は、海軍の本家である英国ではなく、ドイツの軍艦を購入したのでしょうか。本記事ではその背景と経緯について探ります。

19世紀後半の英国海軍の強さ

19世紀後半、英国は世界を制する海上大国でした。その海軍力は圧倒的で、1889年からは英国海軍の戦列艦の数が他国の海軍の戦列艦の総数を上回るという圧倒的な優位を誇っていました。また、英国は世界でもトップクラスの造船技術を持ち、「無畏艦」などの画期的な軍艦を生み出しました。これにより、英国は国際的にその威名を高め、海軍力で他国を凌駕していました。

そのため、当時の中国が海軍力を強化しようとした際、英国を手本にするのは自然な流れでした。

清朝の洋務運動と北洋水師の設立

清朝は19世紀後半に、内外の問題に直面していました。中国の近代化を目指す「洋務運動」が進行する中で、海軍力強化の必要性が認識されました。「自強」と「求富」を掲げ、外国の先進技術を取り入れることが求められました。北洋水師はその一環として設立され、初期の艦艇の多くは英国から購入されました。

北洋水師の艦隊には、英国の造船所で作られた小型の砲艇が多く、また「杨威」や「超勇」といった艦船も英国から輸入されました。

なぜドイツの軍艦が選ばれたのか

英国の海軍力に憧れた中国でしたが、なぜドイツ製の軍艦が購入されることになったのでしょうか。その理由は、複数の要因が絡み合っています。

まず、ドイツは当時、造船技術において急成長していた国であり、特に軍艦の性能面で高い評価を受けていました。さらに、ドイツはその技術力を輸出することに積極的で、北洋水師が必要とする艦船の設計と建造に応じたことが大きな要因となります。また、当時の国際情勢や外交的な理由も影響した可能性があります。

英国とドイツの関係とその影響

当時、英国とドイツは競争関係にありましたが、中国のような非西洋国家に対する外交的なアプローチにおいては、ドイツが比較的柔軟な立場を取っていたことも影響を与えたと考えられます。ドイツの造船業は、価格や技術面で英国よりも有利な条件を提供していた可能性があります。

このため、北洋水師はドイツの軍艦を選ぶことになったのです。

まとめ

19世紀後半、強大な海軍力を誇った英国を模倣しようとした中国の北洋水師。しかし、最終的にドイツの軍艦が選ばれた背景には、技術的な要因、外交的な要素、そして当時の国際情勢が大きく関与していました。英国とドイツの海軍力や造船技術の競争が、北洋水師の艦船購入に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

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