中学3年生の化学でよく出る問題に、雨のpHがなぜ7より小さいことが多いのかという質問があります。答えとして「空気中の二酸化炭素と結びつくから」と書いた場合、なぜそれが誤りとされるのか、また正しい答えは何かについて解説します。
雨のpHが7より小さい理由
雨のpHが7より小さい(酸性である)理由は、空気中の二酸化炭素が雨水に溶け込み、炭酸(H2CO3)を生成するからです。この炭酸は水中で弱酸として作用し、pHを低くします。したがって、雨が酸性になる主な原因は二酸化炭素の溶解にあります。
「空気中の二酸化炭素と結びつくから」という答えは、部分的には正しいですが、これだけではなぜ酸性になるのかがわかりません。重要なのは、二酸化炭素が溶けて「酸性の物質を作る」という点です。正しい答えでは、この反応を説明することが求められます。
模範解答とその理由
模範解答では、「空気中の二酸化炭素が雨に溶けて酸性になるから」と記載されています。これは、二酸化炭素が水と反応して炭酸を作り、その炭酸がさらに水中で水素イオン(H+)を放出するため、雨水が酸性になることを正確に説明しています。
具体的には、二酸化炭素(CO2)が水(H2O)と反応して炭酸(H2CO3)を生成します。炭酸は水中で解離して水素イオン(H+)と重炭酸イオン(HCO3-)を生成し、この水素イオンがpHを低くし、雨を酸性にするのです。
二酸化炭素と酸性雨の関係
酸性雨の原因として最も知られているのは、二酸化炭素以外にも硫黄酸化物や窒素酸化物がありますが、二酸化炭素が関与する酸性雨は自然な現象です。人間活動による排出物(工場や車の排ガスなど)によって酸性雨が強くなることもありますが、二酸化炭素が溶けて酸性をもたらす現象自体は自然の一部です。
そのため、空気中の二酸化炭素が直接的に雨を酸性にする大きな要因であることを理解することが大切です。
まとめ
雨のpHが7より小さい理由は、空気中の二酸化炭素が雨水に溶けて酸性物質を作り出すためです。正しい答えは「空気中の二酸化炭素が雨に溶けて酸性になるから」となります。この現象は自然なものであり、酸性雨の原因を理解する上で非常に重要なポイントです。
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