このページでは、問題「X = l² における内積を
1. 正規直交系の定義
まず、正規直交系について簡単に説明します。ベクトルの集合が正規直交系であるとは、集合内の任意の2つのベクトルの内積が0であり、かつ各ベクトルのノルム(長さ)が1であることを意味します。この定義を基に、v(n) の正規直交性を証明します。
2. v(n) の定義とその構造
問題文で与えられた v(n) は、各 n 番目の成分が1で、他の成分が0であるようなベクトルです。つまり、v(1) = {1, 0, 0, …}、v(2) = {0, 1, 0, …} のように、v(n) は X 空間内で、n 番目の位置だけが1で、それ以外が全て0であるベクトルです。このようなベクトルを考えると、内積を計算することができます。
3. 内積の計算
v(n) と v(m) の内積を計算すると、次のようになります。
ここで、x_n と y_n はそれぞれ v(n) と v(m) の成分を表しています。v(n) と v(m) の内積は、n ≠ m の場合は全て0となり、n = m の場合にのみ1/n² が残ります。したがって、v(n) と v(m) の内積は次のように表されます。
4. 正規直交系の証明
v(n) と v(m) の内積が δ_{nm} であることから、{v(n)} の集合が正規直交系であることが示されました。つまり、任意の n 番目と m 番目の v(n) と v(m) の内積が0であり、さらに各ベクトルのノルムが1であるため、v(n) は正規直交系を構成することが確認できます。
5. まとめ
以上のように、与えられた内積の定義と v(n) の構造を基に、{v(n)} が X の正規直交系であることが示されました。この問題を通じて、内積の計算方法と正規直交系の定義についての理解が深まりました。
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