2025年7月12日、北海道大樹町の「北海道スペースポート」から台湾系ベンチャー企業「jtSPACE」が開発したロケット「VP01」が打ち上げられました。目標高度100キロメートルの宇宙空間到達を目指しましたが、発射から約10秒後に2段目が蛇行を繰り返し、地上に落下しました。
ロケットの設計と目的
「VP01」は、長さ12メートルの2段式混合推進ロケットで、将来的には人工衛星を地球の周回軌道に投入することを目指しています。今回の打ち上げは、火箭エンジンの性能確認と飛行データの収集を目的とした試験的なミッションでした。
打ち上げの経緯と問題点
発射後、1段目は正常に切り離され、2段目に点火されましたが、2段目は予期しない蛇行運動を繰り返し、制御を失いました。主催者側は「飛行を中断した」と発表し、目標高度には到達しませんでした。
技術的な要因と今後の展望
専門家によると、ロケットの制御不能は、2段目のフィン(安定板)の破損や分離不良が原因と考えられています。これらの技術的課題を克服することで、将来的な商業衛星打ち上げへの道が開かれると期待されています。
まとめ
今回の打ち上げは、台湾の民間企業による日本国内での初めてのロケット打ち上げとして注目されました。失敗に終わりましたが、技術的な課題を明らかにし、今後の改善に向けた貴重なデータを提供しました。台湾の宇宙開発の進展と、日本国内での宇宙産業の発展に向けた一歩となるでしょう。
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